「AWA」サービスイメージビジュアル

エイベックスとサイバーエージェントが開発を進める、定額制音楽ストリーミングサービス「AWA」(アワ)が、5月27日(水)からサービスを開始することを決定しました。

http://awa.fm/

AWAはサイバーエージェントとエイベックス・グループが共同で開発してきた音楽サービスで、運営は2014年12月に設立されたAWA株式会社が担当します。AWAに参加を表明している音楽関係会社も22社で、今後も拡大する予定と、コンテンツ提供側の体制も整っています。

Playlist作成画面iOS

Playlist詳細画面iOS

iPhoneのプレイリスト作成画面、詳細画面

AWAのサービス概要はというと、邦楽と洋楽両方が揃って数百万曲をいつでも楽しめる、月額定額制の音楽ストリーミングサービス。

当初はiPhone, Androidアプリとして提供され、その後デスクトップやタブレットウェアラブル、さらに車載システムまでに対応プラットフォームを広げていく予定です。
AWAが他社サービスと大きく異なる特徴は、6000個以上のオリジナルのプレイリストがサービス開始時から用意されている点です。プレイリスト機能に加えて、独自開発のレコメンデーション機能が組み込まれて、好きだった音楽を聴いたり、まだ聴いたことのない音楽の発見につなげていきます。

今後AWAではこのプレイリスト機能を音楽プロデューサーやDJ、そして一般ユーザーにまで広げて、作成・共有できるようになる予定で、アラカルトのオンデマンドな音楽サービスとは違うアプローチを打ち出しています。

洋楽プレイリストイメージ_Android

邦楽プレイリストイメージ_iOS

 

(洋楽プレイリスト、邦楽プレイリスト)

料金プランは月額360円の「Lite Plan」(ライト・プラン)と、月額1080円の「Premium Plan」(プレミアム・プラン)が準備されます。また90日の無料お試し期間も提供されて、その後に有料プランのいずれかに移行することも可能。

RADIO画面iOS

DISCOVERY画面iOS

(Radio, Discovery)

世界的に盛り上がっている「定額制音楽ストリーミングサービス」。日本以外の国では最大のユーザー数を誇る「Spotify」や、アップルが6月に発表を噂されている「Apple Music」、さらにDeezerやYouTube Music Key、Tidalなどが、注目を集めていますが、日本の音楽業界で昨年から注目されてきたサービスの一つがこの「AWA」。

「サブスクリプション」型サービスはこれまでも日本でもありましたが、大手レコード会社(エイベックス)が全面的に協力していることを強調している点では、どのサービスとも違うパートナーシップで、サイバーエージェントと共にブランディングのインパクトは抜群だと思います。

このブランディング、サービスの知名度を伸ばすために重要で、「エイベックスが関わっている」ことが価値に感じる人もいるはずです。個人的には、日本レコード会社がデジタル音楽サービスに近づいたことは非常に嬉しいことで、日本の音楽市場がデジタル化に向けて前進していっている中での、一つのマイルストーンだと感じます。このパートナーシップを引き出したサイバーエージェントも、日本の音楽を面白くするなら専門家と組んでしまえと、これまでの音楽サービスに無かった連携を実現させたことに、新しいことをこれからやっていこうとするワクワク感を感じます。

ただAWAではまだ明確にされていない点も幾つかあります。その一つはアーティストやソングライター、レコード会社へのロイヤリティ分配という、音楽ストリーミングからのマネタイゼーションの部分です。もしこれから音楽産業を音楽ストリーミングが変えるなら、音楽ファンの行動を変え、音楽ビジネスとしても成立させるという大きな課題があります。音楽サービスの透明性の問題(情報開示)に触れることになるのですが、これからデジタル音楽の時代になれば、アーティストやレーベルとの良い関係が一つの重要な価値になりますので、AWAを含めて日本の音楽サービスにはこの課題も解決していってほしいところです。

定額制がどれだけ馴染むか?など疑問は多くあると思いますが、その前に「音楽ストリーミング」の認知度を高め、定着させることが最重要課題かと思います。その意味でもこのAWAは、日本のTidalとなるくらい音楽ファンの目を引くサービスとして話題を振りまいて欲しいです。

AWAに当初参加する音楽関係会社は以下の通り

■レーベル
・株式会社KADOKAWA
・クリムゾンテクノロジー株式会社
・株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
・株式会社スペースシャワーネットワーク
・株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
・株式会社テイチクエンタテインメント
・株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ
・株式会社ドリーミュージック・
・日本クラウン株式会社
・日本コロムビア株式会社
・株式会社バップ
・株式会社フォーライフ ミュージックエンタテイメント
・株式会社ポニーキャニオン
・株式会社ミュージックマイン
・ユニバーサル ミュージック合同会社
・株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
・エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社

■プロダクション
・株式会社 OORONG-SHA
・株式会社AKS
・株式会社テレビ朝日ミュージック
・株式会社日音
・株式会社 FROG

ソース
AWA株式会社


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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