YouTubeの定額制音楽サービス「YouTube Music Key」の正式ローンチは、まだ少し時間がかかりそうです。
YouTubeは昨年11月に開始した定額制音楽サービスのベータテストを今年9月まで延長する発表を行いました。
現在はテストバージョンとして米国とヨーロッパ6カ国のみで一部のユーザーにのみアクセスを制限している同サービスは、9月15日までベータ版として引き続き提供し続けるとテスターにメッセージを送っています。YouTube Music Keyは無料と有料サービスの二通りを提供し、月額7.99ドルの有料会員のみ音楽再生や動画再生で広告を削除できたり、グーグルが提供するもう一つの定額制音楽ストリーミングサービス「Google Play Music」へのアクセスも可能にします。
これまでYouTubeはいつどのタイミングで定額制サービスへの登録を正式に開始するか、明らかにしていませんでした。
ここで重要になってくるのは、ライバル企業の進化のスピードです。今年に入り、定額制音楽ストリーミングサービスへの移行が世界的なレベルで消費者からも音楽産業からも進んでいることから、「音楽ストリーミング」市場で優位性を保つため、どの企業もすさまじい速度で進化しています。
ライバルのSpotifyが動画やポッドキャスト、より良いキュレーションでサービス全体を強化する発表を行ってから一週間の間に、YouTubeがベータ版の延長を発表したことは、YouTubeが考えていたよりもサービス開発が進まなかった、またはライバル企業の動き出しが鋭かったことで、軌道修正に迫られたと見ることができます。
グーグルは今週29日(日本時間)から開発者向けのイベント「Google I/O」を開催します。この中でも何か音楽サービスに関連する発表が起きるかもしれません。前出のSpotifyに続き、アップルは6月のイベント「WWDC」で、噂されている定額制音楽ストリーミングサービスをいよいよお披露目すると予想されています。他社の動きがスピードアップする中で、YouTubeの定額制音楽サービスに対するプレッシャーは相当なレベルにまで膨れているのではないはず。9月までβテストを延長したYouTube Music KeyもSpotifyやアップルに並ぶ勢いで変わっていけるのでしょうか。
ソース
YouTube extends beta period for its Music Key subscription service until September | The Verge