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アップルが4-6月期の第3四半期決算を発表しました。iPhone 6 / 6 PlusやMac、Apple Watchが好調で売上高は前年同期比33%増で496億500万ドル、純利益は38%増で106億7700万ドルをあげて、第3四半期としては過去最高を記録しました。

ティム・クックCEOは決算発表の中で、6月30日に始まった定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」が好調な滑り出しだったと語っています。ティム・クックは、具体的なユーザー数や楽曲再生数など、詳細なデータには触れませんでしたが、「数百万の利用者」がApple Musicを体験していると、新サービスのスタートが好発進だったことが伺えます。

利用者やレビュアーは、Apple Musicの人間によるキュレーション機能と新しい音楽との出会いを提示する方法を非常に気に入っています。数百万の利用者がすでに新サービスの3カ月無料試用期間を体験しています。そして毎日その数は大幅に増大しています。ドレイクの最新PV世界独占公開のように、15000組以上のアーティストがすでに「Connect」に登録し、オリジナルのコンテンツを配信し始めました。

世界の数百万のリスナーが、最も才能があり情熱的な音楽好きが集まる、過去の前例のないワールドワイドのラジオ局「Beats 1」を聴いています。Apple Musicが利用者間で普及し続ける中、これらの要素が全て重なり合うことで、我々が好きな音楽に対する興奮がどんどん増えていくでしょう。

Apple Musicが好調なスタートを切れた理由は、現状では3つあると考えられます。1つ目は3カ月の無料期間が開始時に始まったこと。2つ目は世界100カ国以上で同時に開始したこと。3つ目はファレルやエミネム、ドレイク、M.I.A.など、話題性あるコンテンツの提供がサービスに注目を集める理由担っていると感じます。

アップルがこれまで公表した音楽サービス関連の数値は、他の製品に比べ、多くが開示されていません。恐らくApple Musicに関するデータも当分は公表されないように予想されます

すでに公表済みの数値
iTunesユーザー:世界8億人
購入された楽曲総数:250億曲
iTunesで有するクレジットカードの数:4億個
iTunesで音楽購入する平均額:40ドル/年
iTunes Radioユーザー:2000万人
iTunes Radioで再生された楽曲数:10億曲
Apple Musicの楽曲カタログ数:3000万曲以上

さらに重要なことは、アップルがこの3カ月の無料期間にどれだけ多くのユーザーを説得させ、定額制に移行させられるかになります。フリーミアムモデルの定額制音楽配信でアップルの先を行くSpotifyは、世界で有料会員を2000万人以上獲得しています。アップルにとっての勝負はまだ始まったにすぎません。

ソース
Apple Music & Beats 1 Used by ‘Millions’ of People, CEO Tim Cook Says(Billboard)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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