サムスンが定額制音楽ストリーミングサービスに本格進出する可能性が高くなりました。米メディアVarietyは4日に関係者から得た情報として、サムスンは自社が提供している音楽ストリーミングサービス「Milk Music」を閉鎖する計画が進んでおり、新しい音楽サービスに関する大きな発表を近く行う予定があるとレポートしています。
サムスンの音楽ビジネスには、2月末にヒップホップ・プロデューサーで起業家のジェイ・Zが運営する定額制音楽ストリーミングサービス「Tidal」を買収するかもしれないと情報が浮上してきました。発表のタイミングは明らかにされていません。
Varietyは、可能性として「ストリーミングサービス」の買収、または大手ストリーミングサービス・プロバイダーとの提携が可能性にあると述べています。
サムスンのMilk Musicは、音楽の専門家がキュレーションした200以上のラジオステーションや、自分の好みの曲でステーションを作れるパーソナリゼーション機能を提供する無料の広告付きラジオ型ストリーミングサービスです。
Pandoraの対抗馬として2014年に開始したMilk Musicは当初サムスンのスマートフォンユーザーのみが利用できるサービスだったことや、ウェブやスマートTVに展開が始まっても他社のスマホ向けにアプリを開発しなかったことなども影響して、大きなインパクトを残すには至っていません。
2014年にサムスンは短い動画コンテンツを配信するMilk Videoも開始。「Milk」ブランドを軸にさまざまなエンターテイメントを包括して提供していく戦略を打ち出していました。
しかし2015年末にはMilk Videoサービスを閉鎖。そして今度はMilk Musicもユーザーを獲得することができておらず、同じ運命を辿りそうな様子です。
スマホ販売で競合するアップルが自社開発の定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」をiPhoneアプリでデフォルト搭載する以前から、サムスンは自社端末で音楽サービスを展開する戦略を行ってきました。2月にサムスンは最新スマホ「Galaxy S7」と「S7 Edge」を発表しました。ですが、Milk Musicは自社サービスにも関わらずデフォルトでインストールされていませんでした。したがってすでにサムスン社内でMilk Musicの音楽サービス的価値は見直され始めていた可能性が高かったと言えます。
ソース
Milk Music May Shut Down As Samsung Eyes Tidal(Variety)