ベルリンの音楽共有サービス「SoundCloud」が、デジタル・メディア業界ベテランのアリソン・ムーア(Alison Moore)を同社初の最高売上責任者(チーフ・レベニュー・オフィサー)に迎え入れて、定額制サービスの本格的なローンチに向けて動き始めた様子です。
ムーアはこれまで米国のテレビ局NBCUniversalや、ケーブルテレビHBOに務めてきました。
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今年1月にSoundCloudのCEO、アレキサンダー・ユング (Alexander Ljung)はユニバーサル・ミュージック・グループとライセンス契約で合意した際に、2016年後半には定額制サービスを立ち上げ予定にあると発言したことからも、ムーアの起用は広告以外での収益確保とビジネス拡大を見越した人選と考えられます。
SoundCloudの収益化と定額制サービスの開発は、大手メジャーレーベルとの交渉が長引いてきたために、未だに実現していません。音楽業界とくにメジャーレーベルや大物アーティストたちはSoundCloudを新しいリスナー層にリーチするための重要なプラットフォームとみなしている一方で、無数にアップロードされるDJミックスやエディット、オリジナルのリミックスからライセンス料がクリエイターに支払われない現在のシステムを非難する声も多数SoundCloudには投げかけられて来ました。
さらに今年1月にSoundCloudが2014年に4500万ドル近くの赤字を計上して、2013年の売上1400万ドルで2900万ドルの赤字からさらに悪化ことが明るみになり、SoundCloudの経営だけでなく事業の継続も疑問視する声が上がっています。SoundCloudは事業を拡大するためにさらなる資金の調達を目指していると言われ、1月に3500万ドルを負債資金で調達したことから、これで同社がこれまでに調達した資金は1億2330万ドルを超えたことになります。これまでにSoundCloudにはUnion Square Ventures、Index Ventures、Kleiner Perkins Caufield &Byers、The Chernin GroupなどVCが投資を行ってきました。
ソース
SoundCloud hires its first revenue chief, NBCU’s Alison Moore(TechCrunch)