調査会社Forrester Researchが音声AIを搭載したスマートスピーカーに関する最新のレポート「Forrester Data: Smart Home Devices Forecast, 2017 To 2022」を発表しました。これによれば、米国で最大勢力と言われる「Amazon Echo」製品シリーズは、2016年の販売台数は1,100万台を超え、2017年にはその2倍となる2,200万台が購入されると推測しています。
Forresterはまた米国に拡がるAmazonプライム会員の数を約4800万人と推測。その上で、プライム会員がAmazon Echoの成功を牽引しているとして、2017年にプライム会員の中でEcho普及率を28%、2022年には61%まで拡大するだろうと述べています。
スマートスピーカーが牽引するスマートホーム化
一般家庭レベルでは、2022年に最低1台のスマートスピーカーを保有する家庭は全体の約50%となる6,630万世帯にまで拡大すると予想、また2022年での導入台数は1億6620万台に届くだろうと予測しており、今後5年で過半数の家庭がスマートスピーカーを持つ時代が間もなく訪れることを示しています。
Forresterのレポートでは、一般家庭のスマートホーム化と、IoT製品の導入と普及は、スマートスピーカーの動向に大きく左右されることも分かり、スマートスピーカーを除いたスマートホーム・デバイスの導入は、2022年の時点で全体の20%となる約2700万の家庭が最低1台のデバイスを保有するはずだと予想しています。
また、2017年の時点でスマートホーム・デバイスの中でスマートスピーカーが占める割合は、全体の約50%、2022年の時点では68%まで拡大すると述べます。
Forresterのレポートでは、回答者である一般消費者は、スマートホームの導入に関して、アマゾンとホームセンターを最も信用していると答え、次いで家電量販店、家電メーカー、グーグルと答えています。日本ではまだスマートスピーカーやスマートホームがテック層のアーリーアダプターの間だけで盛り上がっている様子が見えるだけに、将来はアマゾンやホームセンターがスマートホーム・デバイスの提供元大手に変わるのでしょうか?
こちらも米国のトレンドですが、スマートホームの普及を加速させるためのテクノロジーとして、カメラ機能を搭載した次世代のスマートスピーカーを挙げています。需要の高まるカメラ機能によって、自宅の温度や空調管理から、暗視センサーやアラームなどホームセキュリティのシステム構築が容易になっていきます。また、次世代スマートスピーカーでユーザーが使う機能の拡張(音楽再生やニュース読み上げ、タイマー以上の機能)、デジタルアシスタントとデバイス連携の増加も、スマートホーム普及の可能性を高めるとしています。
国内では10月にLINE Clovaの一般販売(8月から先行販売)とGoogle Home発売が始まりました。また、ソニーやオンキヨー、パナソニックなどの国産メーカーも製品を発表し、今冬の市場投入を目指しています。アマゾンも国内の「Amazon Echo」リリースに予想されるほか、アップルの「HomePod」や、Sonosの「Sonos One」など上陸が期待される製品が登場しており、2017年後半の国内は頓に「スマートスピーカー上陸」で湧いています。
ソース
22 Million Amazon Echo Smart Speakers To Be Sold In 2017, Driving US Smart Home Adoption(Forbes)
image by tua ulamac via Flickr