ヒップホップアーティストの50セントが、2014年にリリースしたアルバム「Animal Ambition」をビットコインで販売した結果、当時の報酬に現在の相場で700万ドル-850万ドル(約7.6億円-9.2億円)以上の価値が付いていることが明らかになりました。

TMZのレポートによれば、50セントは世界で初めて作品の対価をビットコインで受け取ったメジャー契約のアーティストとなり、当時の相場1BTC=662ドルで700ビットコインとなる約463000ドルの売上を得ていたことが報じられました。

Rapper 50 Cent accepting bitcoin as payment for new album (LAtimes)

さらに凄いことに、50セントはビットコインの存在を忘れていたらしく、その後は全く取引をしない状態が続いていました。投稿されたInstagramには「I’m a keep it real I forgot I did that shit. Lol.」とコメントしています。

50セントは、2011年に自身のオーディオ会社「SMS Audio」を立ち上げCEOに就任、自身のブランドのヘッドフォンを発表するなどしていました。一方で、2015年に自己破産したことで、2300万ドル以上の負債の返済を命じられたことも話題になりました。

2014年のアルバムリリース時にRedditでのインタビューで50セントは「俺達は時代を先取りして、新しいことをやりたいだけだ」(We’re trying to be ahead of the curve and do new things)と答えていました。

仮想通貨と音楽/エンターテイメント・ビジネスとの親和性は徐々に議論されるようになり、海外ではインディーズアーティストで自身の仮想通貨を支払いに活用する事例は急増してくるなど、活用法は多岐に渡って実装されつつあります。フィンテックの領域ですが、こうしたテクノロジーを使うことも、新しい音楽ビジネスの一つですね。

Not Bad for a kid from South Side, I’m so proud of me.‍♂LOL #denofthieves

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ソース
50 Cent: ‘I Forgot’ Taking 700 Bitcoins For 2014 Album; Stake Is Now Worth Millions (NPR)
50 Cent’s Earned Millions Selling His Album for Bitcoin (TMZ.com)
50 Cent Reportedly Made Millions in Bitcoin After Accepting it for Album Payment in 2014 (Complex)
image by TigerDirect.com via Flickr


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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