ミュージックビデオを見ながら、外国語の歌詞で語学を学べるモバイルアプリを開発する、ロンドンの音楽スタートアップ「Lirica」が100万ドル(約1億円)をシードラウンドで調達した。投資ラウンドにはソニーミュージック、Veridian Venturesと個人投資家が出資している。

2018年にローンチした「Lirica」は主にスペイン語の単語や文法、スペル、リスニングスキルなどをラテン音楽のミュージックビデオを見ながらクイズ形式で学ぶことができ、ユーザーは語学レベルに合わせてキュレーションされた曲から選曲する。英語に翻訳されたスペイン語の歌詞を見て覚えるだけでなく、曲の途中で出題される問題を解きながら語学を学ぶ。

曲が終わっても歌詞にちなんだ「チャレンジ問題」が出題され、学習レベルをチェックしたり復習ができる。チャレンジでは正解に応じてスコアがカウントされ、正解の数だけスコアを上げられる仕組みも導入されている。

Liricaはフリーミアム・モデルを導入している。6曲までは無料で試すことができるが、それ以外は月額4.99ドルのサブスクリプションで自由に使うことができる。

新たな出資を受けてLiricaはビジネスの拡大と別の言語でのコンテンツ開発を目指す。ソニーミュージックとは戦略提携を結び、出資を受けたことにより、Liricaはソニーミュージックが保有する楽曲やミュージックビデオを利用するライセンス契約を拡大することになるだろう。

ソニーミュージック・グループ内でラテン音楽の専門レーベル「ソニーミュージック・ラテン・イベリア」は現在、世界的なヒット曲を持つアーティストや若手アーティストを多数抱えるレーベルだ。ソニーミュージックはこうしたアプリを通じて、自社のアーティストやコンテンツとリスナーとのエンゲージメント向上に繋げたりすることも可能になっていく。

2018年にLiricaは、毎年フランスで開催される音楽ビジネス・カンファレンス「Midem」のスタートアップコンペ「Midemlab」に出場。「音楽制作・教育」部門で優勝している。Midemlanの同部門では審査員の一人にはソニーミュージックのデジタル戦略の担当者がおり、こうしたコンペに出場することでメジャーレーベルの新規事業部門や戦略部門とつながることが資金調達や戦略提携に繋がる可能性が拡がる。

Liricaと競合する学習系音楽スタートアップは昨今、世界で増えている。

音楽やミュージックビデオを応用した語学レッスン・アプリでは、StudytracksやLingokids、Roybiなどがすでに展開している。語学の教育という側面での音楽とテクノロジーの活用は、今後ストリーミングや動画視聴再生の増加に伴い、ラテンミュージックやK-POP、アフリカ音楽など英語以外の音楽コンテンツの需要や注目度もさらに高まると見られる。

source:
Lirica Raises $1 Million to Improve App for Language Learning Through Song (EdSurge)

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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