英エンターテインメント小売業協会(Entertainment Retailers Association)が分析したデータによれば、イギリスに残っている独立系レコードショップ300店舗は 2013年上半期に前年比で売上が44%増加していることが分かりました。

英国音楽市場において、これらのインディーズレコードストアの売上はわずか3.2%にしかならないものの、アナログレコードになれば、彼らの売上シェアは50%以上に上ります。

国際レコード産業連盟(International Federation of the Phonographic Industry、IFPI)のデータによれば、アナログレコードの人気は世界的に継続しており、2012年には1200枚以上のアナログレコードが購入されています。

大手レコードストアで購入されるアルバム250枚に1枚がアナログレコードである一方、独立系レコードストアでは7枚に1枚がアナログレコードという調査結果になっています。

売上好調の大きな要因には、「レコード・ストア・デイ」の成功があります。レコード・ストア・デイの実施はレコードストアにとって新しい音楽プロモーションの手法になりました。また多くの音楽ファンにとって入手困難なレコードを見つけたり、限定版を購入するなど、新しい音楽との出会いと楽しみを再認識できるイベントともなっていることが、音楽売上に直接貢献しています。

独立系レコードストアは、インディーズミュージシャンやレーベルの作品を数多く販売することで、新しい音楽や大手メディアが注目しないアーティストの作品を音楽ファンに届ける役割を果たしています。

独立系レコードストアで最も売れたアルバムを見てみると、1位にはデヴィッド・ボウイの「The Next Day」、2位にはボーズ・オブ・カナダの「Tomorrow’s Harvest」が入りました。

1.デヴィッド・ボウイ:THE NEXT DAY
2. ボーズ・オブ・カナダ:TOMORROW’S HARVEST
3. ステレオフォニックス:GRAFFITI ON THE TRAIN
4. ダフト・パンク:RANDOM ACCESS MEMORIES
5. ザ・コーティーナーズ:ANNA
6. ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズ:PUSH THE SKY AWAY
7. ATOMS FOR PEACE:AMOK
8. クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジLIKE CLOCKWORK
9. フランク・ターナー:TAPE DECK HEART
10. ザ・ナショナル:TROUBLE WILL FIND ME

アルバム売上トップ20の中で、インディーズレーベルの作品は14アルバムに上りました。


イギリスの音楽シーンは今年HMVという大手レコードストアを失いました。それでも独立系レコードストアが元気に活動しているということは喜ばしいニュース。彼らは大手ストアやネットストアと違って、大きな広告予算やインフラ構築の費用やリソースも持ちあわせていません。でも、「アナログレコード」 や「12インチ」、「インディーズ音楽」という独自のテイストが音楽ファンの共感を獲得しているように感じます。また店内でのライブミュージックや無料Wifiを提供するなどして、来客へのサービスも提供しているところが人気の理由につながっているのではないでしょうか?

イギリスでは昨年、独立系レコードストアを題材にした「Last Shop Standing」という、ナイスなドキュメンタリー映画が公開されています。
https://www.facebook.com/lastshopstandingthefilm

 

ソース
Vinyl revival boosts independent record stores as sales surge by 44%(7/25 The Independent)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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