世界最大のイベントプロモーション会社「ライブ・ネイション」は傘下のチケット販売最大手「Ticketmaster」に今後3年間で1億ドル(約98億円)を投資し、違法なチケット販売を行うダフ屋の「チケットボット」利用行為に対抗するテクノロジーの開発を進めます。

長年オンラインチケット業界では、大量のチケットゲッターが人気のチケットをソフトウェアを使って大量に購入し流通市場で転売して儲ける問題に直面してきました。チケットゲッターが主に利用するのがチケット購入を自動化するソフトウェア「チケットボット」です。ライブ・ネイションの投資はこのチケットボット利用行為を削減し、流通市場での転売行為を改善する目的があります。

ライブ・ネイションのCOO、ジョー・バーチトールド(Joe Berchtold)は、「Ticketmasterの1980年代のテクノロジーから進化するためプラットフォーム刷新をライブ・ネイションが進めている」と語ります。

「1億ドルの投資でボット行為を止めるより良い手段を開発します。我々はダフ屋が高価なチケットを大量購入する流れを食い止めなければなりません。我々はCAPTCHA技術のアップグレードの他に、人間かボットかを見極めるためにIPアドレスを認識するアルゴリズムを構築するチームを用意しています」とバーチトールドはコメントしています。

Live Nation

チケット転売の今後

またライブ・ネイションの投資の大きな狙いとして、ユーザーが使いやすいシステムの導入に着手します。具体的にはモバイル向けでアプリ型のデジタル・ソリューションを開発し、ユーザーがより簡単に利用でき、また情報を共有したりチケットを再販できるようにします。

チケットの転売に関してライブ・ネイションの投資は、Ticketmasterの技術プラットフォームを改良し、自社がチケット販売の流通市場でのプレゼンスを強化する狙いがあります。ライブ・ネイションはチケットの二次販売用マーケットプレイスを提供する英国の「GetMeIn」を買収しています。チケット流通市場の競合にはSeatwaveやViagogoなどがいます。

ライブ・ネイションはまもなく「TicketMaster-Plus」と呼ばれるチケットの購買と転売を融合したチケット販売マーケットプレイスを米国で開始する予定です。

ライブ・ネイションとTicketmasterの合併は2010年1月に米国政府の承認を受け、世界最大のイベント・プロモーション/チケット販売会社が誕生しました。

ライブビジネスが拡大する中で違法チケット購入と転売行為は、単に音楽ファンにとっては邪魔な存在であって音楽シーンの成長を妨げます。この問題は、音楽以外にもイベントでもこの問題は発生すると思います。多くのチケット購入がネットやモバイルに移行している今だからこそ、世界的にもできるだけ早く新しいテクノロジーを導入して多くの音楽ファンを喜ばせてくれるチケット購入システムを作って欲しいと願っています。

 

ソース
Live Nation’s $100m investment in Ticketmaster tech to battle dodgy bots(7/12 Music Week)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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