世界の音楽業界から高い注目を集める、聴き放題のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」(Spotify)が、新機能を発表しました。新しく追加された「Browse」機能は、ユーザーの好きな音楽ジャンルやアクティビティ、ムードに合わせて、無数のプレイリストをレコメンドしてくれるミュージックレコメンデーション機能です。

2000万曲以上の音楽カタログを持つSpotifyでは、これまでもユーザーが個別に作成したプレイリストを検索することは可能でした。しかし、自分の趣味に合ったプレイリストを見つけるのは非常に手間のかかるという問題がありました。「Browse」機能はこの音楽を見つける「ミュージックディスカバリー」(音楽発見)機能を拡張します。

Browse機能では、ユーザーが作成した1億個以上のプレイリストからの厳選されたプレイリストのレコメンドしてくれます。さらに、音楽学者、音楽ライターらで編成された35人のSpotifyの音楽キュレーションチームがキュレートしたプレイリストをレコメンドしてくれるため、音楽が見つけやすくなり、さらにミュージックディスカバリー(音楽発見)体験に人間的な側面を追加します。

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Browse機能で表示されるプレイリストでは、朝の通勤、ディナーなど個人のアクティビティ、「怒り」「嬉しい」「憂鬱」「リラックス」などのムードに応じたプレイリストが用意されています。また現在人気のプレイリスト、最新のプレイリスト、ユーザーの好きなアーティストの新アルバムや新シングル、Spotifyがセレクトしたアーティストの新作プレイリストなどがあります。また国別の人気トラック、そして無数のジャンル別プレイリストを提供します。

Browse機能はスポティファイが5月に買収した音楽キュレーションサービス「Tunigo」のテクノロジーとスタッフが中心となって開発されました。以前Tunigoは音楽レコメンデーション機能をSpotify音楽アプリとしてデスクトップ・アプリ上で提供してきました。今回Spotifyは人間的な音楽キュレーションを提供するにあたって、より柔軟性が高く、デスクトップ・モバイルのどちらでも利用が可能な戦略へと大きく変えてきました。

音楽ストリーミングサービスのSpotify、音楽レコメンデーションサービスの「Tunigo」を買収し音楽発見を強化へ

「Browse」機能はまずiOSとAndroidのモバイルアプリのアップデートで数週間内にリリースされます。その後その他のプラットフォームにも展開する予定です。

Spotifyの製品開発担当副社長のチャーリー・ヘルマン(Charlie Hellman)は、「『Browse』機能はモバイルアプリにまずリリースします。その後は無料ユーザーでも利用が可能なブラウザプレイヤーとデスクトッププレーヤーにもリリースする予定です。モバイルアプリで先にリリースした理由は、ユーザーのムードやアクティビティを素早く認識できるレコメンデーション機能は、よりモバイルユーザー向けだからです」と答えています。

今回の新機能追加による簡単な音楽発見によってSpotifyは、Appleの「iTunes Radio」やPandora、Deezerといったライバル企業に比べ、「Spotifyらしさ」という差別化を実現できる確立が高まりました。

Spotifyで音楽体験を高める3つのアプローチ

今回のアップデートはSpotifyがこの数ヶ月に取り組んできた、音楽体験を高める3つの機能向上の3番目となる機能です。「Social」、「Discover」、そして今回の「Browse」と常に進化し続ける新機能の登場は、ユーザーに最高の音楽体験を届けるというSpotifyのミッションを実現にまた一歩近づけます。

Spotifyはこれで音楽と出会う3つの異なるアプローチをユーザーに提供します。さらに今回の「Browse」機能では、これまでのアルゴリズム中心のアプローチに人間味在るアプローチが加わることで、音楽発見の手段が多様化し、ユーザーが求める手段に応じて音楽を届けやすくなります。

 

音楽サービスとスポティファイの違い

多くの音楽サービスに言えることですが、楽曲数を一方的に増やすだけでは、リスナーが新しい音楽を聴いてくれるとは限りません。むしろ曲が増えれば増えるほど、新しい曲を探すことが面倒になるでしょう。そのため、人は自分の好きな音楽や既に聞き慣れたプレイリストを繰り返し聴き続けるようになっていくでしょう。

スポティファイのアプローチで優れていると思うのは、ユーザーが「音楽があったらいいな」と思った時に即座に音楽を再生できるようにするイノベーションだからです。導線を増やし、ユーザーニーズに最適化させることで、人と音楽の距離を縮めて、音楽をまた一曲、さらに一曲聴く環境をあらゆる場面で演出してくれます。

Spotifyは音楽に意味を持たせ、人が音楽とつながる価値を提供している気がします。少しまとまり切らないですが、この違いについてはまた別の機会に書きたいと思いますし、色々な人とも話をしてみたいとも思っていますので、もしご興味が在る方がいらっしゃればぜひご連絡ください。

 

ソース

Want the right playlist? Just Browse.(8/5 Spotify Blog)

Spotify adds human touch to help people find playlists(8/4 CNET)

 

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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