世界最大の音楽動画専門サイトの「VEVO」は、ドイツでのサービスを開始することを発表しました。ドイツでのサービス開始にあたりVEVOは自社として初めて提携パートナーのYouTubeとは組まずに、単独でドイツの出版業界団体「GEMA」と同意し、新市場へ参入します。VEVOはこれまでアメリカやその他の国でのサービスを、戦略パートナーのYouTubeと共に展開してきました。

今回VEVOがヨーロッパ最大の音楽市場のドイツへの進出したことで、VEVOには独自で新規市場を開拓するチカラがあることを証明しました。もしドイツでの事業が成功できれば、VEVOが今後他の国へ単独で進出するための実績と音楽メディアとしてブランド力を高めることになります。

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ドイツの音楽ビジネスでは、Googleは苦戦を続けています。特にライセンス料支払いに関して、GoogleはGEMAとは2009年から交渉と訴訟を繰り返しています。その結果、ドイツでは多くのYouTube音楽動画がブロックされて視聴することが不可能になっています。このブロックによって、レコード会社は所属するアーティストの動画を世界第三位の音楽市場で配信できない悩みに直面してきました。

VEVOはユニバーサルミュージックとソニーミュージックが出資して設立された音楽チャンネルで、YouTube最大の配信パートナーです。しかし近年VEVOは独自のサイトやアプリでの集客が成功しており、視聴者数が拡大する傾向にあります。VEVOが独自のプラットフォームでの配信を強化する理由としては、視聴回数が増えることでより多くの広告収入にむすびつけることが目的です。

VEVOのドイツでのサービスローンチ日は不明です。しかし、今後は75000以上の音楽動画、ライブ動画、オリジナルコンテンツが、VEVOのサイト、モバイル、Apple TVなどTVサービスで配信される予定です。

もしドイツでVEVOが成功できれば、同社は今後さらに世界各国で独自にサービスローンチを目指して動くことが予想されるので、日本などへの進出も考えているかもしれません。ですが一方で、レコード会社やマネジメントなど音楽ビジネスは動画を配信するプラットフォームがYouTubeやVEVOなど複数に分散してしまうため、再生回数も減ってしまい、結果として広告収入も減少するリスクが考えられますね。その分アーティストやレーベルには痛手ですが、ドイツのような音楽事情の場合音楽ファンにとっては音楽の楽しみ方がまた一つ増えることになるので、消費者のメリットは大きいです。

念のためですが、VEVOを視聴するには無料です。

 

ソース
Vevo moves into Germany without YouTube(9/2 Financial Times)

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Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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