apple-spotify-android-logos-billboard-650

音楽ストリーミングサービスがさらに熱くなる気配が広がってきました。

Billboardによれば、アップルはレコード会社の上級幹部とSpotifyやBeats Musicと競争するオンデマンド型音楽サービスの可能性について議論を開始したと伝えています。Billboardはこの情報は、関係者3人から入手した情報としています。

アップルはまた、「iTunes」ストアをアプリとしてAndroid向けに提供する可能性についても検討を始めたとレポートしています。

情報ソースによれば、アップルとレコード会社の話し合いは、まだかなり初期段階にあるとのことです。

もしオンデマンド型音楽サービスと、iTunes Radioを本格的に取り組むことに慣れば、アップルはこれまでの音楽ビジネスを支えてきた、世界最大の音楽ストアでもあるiTunesストアのダウンロード型ビジネスモデルから、大きな方向転換を図ることになります。

スティーブ・ジョブズは生前サブスクリプション型音楽サービスに対してサブスクリプション型音楽サービスに否定的な姿勢を示してきました。しかし彼の死から3年が経ち、さらにアメリカのデジタル音楽の売上がiTunesストア開始後初めて減少している現状から、アップルが何か抜本的なデジタル音楽戦略を打ち出すことは十分に考えられます。

関連記事
音楽はもう買われない… アメリカの2013年音楽売上はアルバム・シングル共に減少、デジタルダウンロードも初めて減少

また近年の音楽ストリーミングサービスの急成長を、アップルが脅威に感じていることも確かです。定額制音楽ストリーミングサービスのSpotifyをはじめ、PandoraやYouTubeなど、定額制音楽ストリーミングサービスや広告型音楽サービスは2013年には初めて売上が10億ドルを突破し、売上総額14億ドルを達成しました。

2013年に世界の音楽ストリーミングサービスは前年比51%成長するなか、ダウンロード購入は2.1%減少する結果となり、音楽ストリーミングに着手したばかりのアップルにとってこの結果は大打撃です。

関連記事
・世界規模の音楽売上をまとめた年次レポートをIFPIが公開、2013年は売上3.9%ダウン、音楽ストリーミング売上は50%以上拡大し10億ドルの大台に到達

音楽ストリーミングサービスの可能性に加え、アメリカだけでも市場売上40%以上を占めるiTunesストアがAndroid向けに展開するようなことが起これば、アップルのビジネスモデルだけでなく、メジャーレコード会社やインディーズ、アーティストのビジネスモデルや収益化にも大きく影響が発生します。

ソース
Apple Mulls Launching Spotify Rival, Android App as Downloads Decline (Sources)(3/21 Billboard.biz)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
取材、記事執筆、リサーチ、音楽ビジネスやストリーミング、海外PRに関するコンサルティングのご相談は、お問い合わせからご連絡を宜しくお願い致します。

  • プロフィール
  • お問い合わせ