音楽認識アプリでは世界トップのShazamが、2013年度7〜12月期の収支を公開しました。世界で利用が広がるShazamですが、まだ黒字化には遠い道のりのようです。
Shazamは6カ月での売上が1690万ポンド (約2750万ドル、約30億円)、純損失は580万ポンド (約940万ドル、約10億)で、これは2013年6月期に計上した売上高3100万ポンド、純損失200万ポンドと比較してみると、損失額が著しく拡大していることが見えます。
2013年7~12月期には、ShazamはAmerica Movilから2000万ドル (約20億円)の資金を調達し、さらにClifton Capitalから1000万ドル (約10億円)を調達しています。
現在のShazamの大きな収益源は広告収入、ブランドや企業、テレビ番組と連携したテレビ/CM事業、そしてアプリ内でタグ付けされた曲をユーザーがダウンロード購入した際に発生するフィーです。2013年3月には、1日1000万曲がタグ付けされ、iTunesでの購入は毎日100万ダウンロードを生み出していました。しかし8月には、1日40万ダウンロードまで大きく減少していることが同社の数値で明らかになっています。
この流れは音楽が好きなShazamユーザーにとっても、音楽をダウンロードすることへの関心が薄れてきているとも受け取れます。近年アメリカでは音楽ダウンロードからの売上が伸び悩み、反対に音楽ストリーミングの利用が急速に拡大していることとも、関係性があると言えます。
ロンドンに拠点を置くShazamは現在、テレビおよび広告業界向けのビジネスへの投資を強化して、将来長期的な収益源の確立を目指しています。これまで音楽認識アプリで注目を集めてきましたが、米国やヨーロッパなど世界ではテレビ番組やCMと連携したブランド向けコンテンツ配信サービスとしての認知度が徐々に広まり、スーパーボールやW杯など世界的イベントの広告主とも連携し始めています。
また最近ではアップルと提携し、iOS 8に音楽認識機能を追加しています。
ソース
Shazam losses mount as it pushes into advertising (9/24 Evening Standard)
Shazam’s losses grew to £5.8m in the second half of 2013 (9/26 Musically)