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米国サービス開始を目指しレコード会社と交渉を続けてきた、欧州で人気の定額制会員購読型の音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)が、4大レコード会社の一つであるEMIと米国でのライセンス契約を締結したとAllthingsdのPeter Kafka氏 (@pkafka)が伝えています。

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Kafka氏は今回のニュースは複数の情報筋からの話として報じた。SpotifyおよびEMIからのコメントは得られなかった。

Spotifyはウェブ・モバイル向けに1000万曲以上の楽曲から無制限ストリーミングを提供する定額性購読型音楽ストリーミングサービス。ユーザーは広告入りの無料会員(フリーサービス)または有料会員向けプレミアムサービスを選び、好きな楽曲をいつでもどこでもストリーミングしたり友人と共有することができる。Spotifyはこの『フリミアム』なサービスを現在欧州7カ国で展開している。SpotifyはiTunesやアマゾンのシングルダウンロード型音楽ストアと競争できる新たな音楽サービスとして、新たな収益源を求めるレコード会社や場所を問わずに視聴したい音楽ファンから注目・支持を集めている。

まだ日本では入手できないSpotifyについては、英国滞在経験がありユーザーでもある @anno69 さんのブログエントリーを是非ご覧ください。

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先月に伝えられたソニーミュージックとのライセンス提供と併せ、Spotifyは米国でのサービス開始に向けて4大レコード会社の内2社と合意に達した。

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しかしKafka氏は今回の合意だけでは、Spotifyが近い将来に米国サービスを開始することが確約されたことにはならないと、慎重な見解を示しています。

Spotifyが目指す米国サービスをより確証のあるサービスとして米国ユーザーに提供するためには、4大レコード会社の内、最大シェアを誇るユニバーサルミュージック、そしてライセンス契約に対してより可能性の高いワーナーミュージックと合意に至る必要があります。ワーナーミュージックのCEOであるEdgar Bronfman Jr氏は最近Spotifyにポジティブな見解を示しました。

主な所属アーティストおよびサブレーベル
EMI: Jay-Z、ビートルズ、Gorillaz、Norah Jones (ノーラ・ジョーンズ)、宇多田ヒカル、ブルーノートレコード(ジャズレーベル)
ソニー: Usher (アッシャー)、Ke$ha、Shkira(シャキーラ)、マイケル・ジャクソン
ユニバーサル: レディ・ガガ、エミネム、リル・ウェイン、ジャスティン・ビーバー、ブラック・アイド・ピーズ
ワーナー: Bruno Mars (ブルーノ・マース)、The Black Keys、Muse、ニール・ヤング

Gorillaz live in London

Kafka氏はまた、もしSpotifyが米国サービスを開始した場合、アップルが新たに発表した、iTunes App Storeにおけるコンテンツ販売から30%の収益をコンテンツプロバイダーから徴収する定期購読(サブスクリプション)サービスと競争しなければならないと説明します。なぜならSpotifyは現行ビジネスからはわずかなマージンしか得ておらず、この問題の解決策はいまだに発表していないからです。

みなさんはどう思いますか?


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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