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米調査会社Competeが、新しいクラウド型音楽サービスのユニーク訪問者数をブログで公開しています。

米国内で、3月に発表されたアマゾンのサービス「Amazon Cloud Player」、5月に発表されたグーグルの「Music Beta」欧州で人気のストリーミングサービス「Spotify」のユニークビジター数をしています。それぞれまだ始まったばかり(Spotify以外)のサービスでユーザー数も少ないですが、音楽消費者の興味の規模が見えてくると思います。

以下翻訳です。

先週(6/6 現地時間)アップルが独自のクラウドサービス「iCloud」を発表し、アマゾンとグーグルに宣戦布告しました。消費者向けクラウドサービスやメディアストリーミングサービスは比較的新しい分野ですが、大手3社が3ヶ月内にサービス参入を表明したことにより、近い将来には消費者の音楽消費体験にシフトが起こると予測できます
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音楽サービスの利用量はそれほど多くないにもかかわらず(グーグルのサービスは招待限定)、アマゾンとグーグルのクラウドプレーヤーの週間ユニーク訪問者数約25万人が新しい音楽サービスにアクセスしています。5/23にアマゾンがレディーガガの新アルバム「Born This Way」を99セントで発売したキャンペーンのおかげで、同社のクラウドプレーヤーへの週間トラフィックは5月最終週に65%増加(約40万人)しました。

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これら3社のサービスの土台は、簡単なストレージおよびファイルへのアクセス機能だが、(サービスの)実行能力と条件を比べると、各自まったく違ったサービスであることが分かる。これらに加え、ここではダークホース的存在のSpotifyの状況を見てみる。

欧州でユーザー数1000万人以上を獲得したSpotifyは、米国外ではクラウド型音楽サービスのトップに君臨しています。ユーザーインターフェース、ソーシャルネットワーク機能、クロスプラットフォームでの相互性が評価されて、Spotifyは米国においてiTunesキラーとなる可能性を秘めた存在となったが、レコード会社や権利者とのライセンス交渉が長引きサービス開始が遅れている。

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興味深いことに、製品がローンチされていないにも関らず、米国から Spotify.comへの月間ユニーク訪問者数は平均10万人以上となっている。アマゾンのクラウドプレーヤーへの5月のユニーク訪問者数を15%以上上回る

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豊富な資金に支えられたテクノロジー競争は、音楽消費者にとって良い流れと言える。音楽の聴き方と購入に対する消費者の需要に変化が生まれたこと (パンドラ以前の生活を覚えていますか?)、オペレーティングシステムとオープン/クローズドアプリケーションネットワーク(iOS対アンドロイド)の要素を考えると、(今は)勝者(または複数の勝者)を決めることは時期尚早といえる。

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機能面での比較ではなく、トラフィックの推移で音楽を考えるとは興味深い分析だと思いました。

面白いのは、やはりSpotifyの存在かと。米国ではサービス展開していないにもかかわらず、10万人以上がアクセスしてるという結果は、アーリーアダプター層には既に認知されていると考えられます。

ただ現状ではSpotifyとアマゾン+グーグルはサービス形態が異なり(ストリーミング&音楽ロッカー)、どこがクラウド型音楽サービスでリードするか判断することは難しいということが言えます。しかしながら米国の音楽消費に新しい形態が紹介されたことで、デジタル音楽の体験が増加していき、また新たなサービスやコラボレーション、ベンチャーが誕生していくことを今後も期待しています。

シリコンバレー在住の海部美知さん(@Michikaifu)の記事が、最新の業界動向を説明していて、非常に参考になりました。

また @anno69 さんのブログにあったGoogle Music Betaに関する議論も、巨人アップルとの関係やスマートフォンとの関係など日本市場にも関連していて面白かったです。

最後に。こちらは米調査会社ComScoreが公開した、Spotifyの世界ユニークビジター数。業界数値の参考になれば、、、
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参考までに関連記事です。興味のある方は是非。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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