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米オンラインメディアの『Fast Company』(FC)は、毎年恒例の「The World’s 50 Most Innovative Companies」(世界で最も革新的な企業50社)」を発表しました。社会や消費者の行動に影響を与えた企業を選出したもので、AppleやFacebookから、AirbnbやSquareなどベンチャー, NHLや驚きの「Occupy Movement」まで、多岐に渡る分野からユニークなビジネス戦略を駆使して成功(チャレンジした)した企業(団体)が選ばれています。

このリストに加えFCは、『インターネット/ウェブ』『モバイル』『ゲーム』『ファッション』『フード』など業界別にトップ10企業も選出しています。その中に、音楽のカテゴリーもあるので、ご紹介します。

個人的な感想として今年は、目を引くコンテンツやPRや大規模キャンペーンではなく、いかにしてユーザーとの関与度を高くし、体験に価値を持ってもらうかがカギだと感じました。(その証拠にiCloudやGoogle Musicは入っていない)

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ノミネートされたSoundCloud, Spotify, Bandcamp, Turntable.fmなどは、単体の製品(プロダクト)というよりはプラットフォームであり、音楽体験において発掘、共感、共有、購入まで一貫して行えるアプローチが提供されていることが特徴だと思いました。それは短期的にコンテンツを消費する一過性の接触をオファーするのではなく、オンラインとソーシャルメディアを駆使したオープンなプロセスによって、アクティブなユーザー層へのアプローチ、そしてサービス(サイト)との継続的なつながりを実現します。

その中からユーザー同士で共有と共感が生まれる。好きという熱意や仲間や場所が顕在化したことで、見える化された価値が音楽体験を自分ゴト化に発展させ、好きな作品やアーティストへの思いは確実に高まる可能性があると思います。

残念ながら日本では利用できないものも含まれますが、もし日本人が利用しても新しい発想を思いついたり関与が増えたり、確実に行動と意識を変えてしまう。そんな可能性を提供できるサービスばかりです。また、音楽にとどまらない連携も可能なサービスもありますので、クリエイティブなアイデア次第では、世界初となるアプローチ手法が実現できるかもしれません。今後の動向はチェックしていきたいです。

1位: SoundCloud (トップ50中42位)

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理由:50セントやマドンナから環境音を録音するオーディオ好きまで、誰でも利用出来るシンプルなサウンド共有プラットフォームを構築した。

SoundCloudのゴールは『Unmute the web (ウェブ上で音を鳴らす)』。1000万人以上のユーザーが登録しており、200万人は最近2ヶ月内に参加している。SoundCloud Labsと外部開発者により10000以上のアプリが提供され、YouTube動画のようにFacebookやTumblrなどウェブサイトに簡単にはめ込むことができるソーシャルメディア時代の音のプラットフォーム。さらなる驚きは事実は、SoundCloudは広告を流さないということ。有料会員メニューや録音時間の拡大で課金してもらい、フリミアムなサービスを運営している。

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理由:聞き放題のオンデマンド音楽ストリーミングサービスの分野で、MOGやRdioなど競合との戦いを先導する。

7月の米国進出以来、Facebookとはデフォルトの音楽パートナーとなり、アクティブユーザーの20%に値する300万人の有料会員を獲得してきました。大半の有料会員は30歳以下という部分も見逃せない。

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理由:2350万ドル(約19億円)の株式公開を実施し、インターネットラジオの価値を向上させた。

Spotifyのラジオ機能を発表するも、2011年第4四半期では全米でラジオリスナーが多い都市トップ10において、Pandoraのリスナー数は13%-25%と継続して増加している。

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理由:世界で初めてアプリアルバムを製作。インタラクティブデザインの第一人者であるScott Snibbeと手を組み、4 年ぶりとなる新アルバム向けに幻想的な『Biophilia』iPadアプリを発表した。

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理由:数少ないインディー系レコードレーベルという立場を維持しながらも、型破りなアーティストをメインストリームに送り出した。アデルやM.I.A., ベックなどアーティストも抱えているにもかかわらず、XLは音楽のクオリティーを保持するために、年間わずか1アーティストとしか契約せず、6作品しかリリースしない。1700万枚以上の売上を記録したアデルの「21」に例えられるように、XLは小さい規模で大きな結果を残すことに成功している。

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理由:コンサートビジネスの新しいモデルを開拓した。
ブルックリンを拠点にするミュージシャン、アーティスト、フィルムメーカーによって構成されるコラボレーションをデジタル・プロダクション・コレクティブ。彼らのアプローチは、アーティストや作品にビデオ制作とライブパフォーマンス演出を組み合わせることで、音楽をコンテンツからコンテキストへと変化させる。

最近では、カナダ出身のインディー系ミュージシャンFeistの新アルバム「Metals」のプロモーションイベントで、25人編成バンドと共にハーレム地区にある教会の地下室でライブを開催したり、ブルックリンの廃校になった校舎で行われたThe Wood Brothersのパフォーマンスをビデオドキュメンタリー化を行う(その後Groovesharkで配信)。低予算でもしっかり、プロによるライブ演出と動画制作で作品に新たな価値を示してくれるため、アーティストはブランド力ある簡潔なコミュニケーションをファンと行うことができる。

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理由:(ようやく)ファンを第一に考え始めた。

オンラインチケット販売だけだったサイトを、ファンが集まる場所へと改良し、Facebookと連携して友人の場所が把握できるインタラクティブな座席マップや、ウォールマートグルーポンとの提携、親会社のLiveNationサイトへのビジターのデータを解析する特設部門を設立してきました。

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理由:自分達のルールで海賊行為を打ち負かしてきた

ファンが支援する音楽配信プラットフォームBandcampは2008年のサービス開始以来、アーティストは1260万ドル(約9億8000万円)の売上を楽曲やグッズで上げており、売上15%をもらうBandcampも2011年12月だけで100万ドル(約8000万円)を上げている。

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理由:オープンソースな楽曲認識プログラム『Echoprint』を開発し、一般ユーザー層向けの音楽ID機能付きアプリの基盤を提供する。

Echoprintはコミュニティの拡大と並行して増加するよう設計され、現在は1300万曲以上楽曲データを蓄積する。

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理由:音楽共有の仕組みをこれまでにないソーシャルな体験へと変えた。

アクティブユーザー約110000人の内、約30,000人は月間10-20時間を仮想ルームでDJやリスニングに費やします。2011年1月のサービス開始以来、Facebookの「Listen With」機能などTurntable.fmに刺激された派生形がリリースされ、様々なサービスに影響を与えた。

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参考までに2009年、2010年、2011年の音楽サービストップ10を以下に入れてみました。リストを見るだけでも、顔ぶれの移り変わりが早いことが確認でき(Pandora, Spotify以外)、音楽に関連するサービスとライフスタイルの多様化が進むことで、音楽やコンテンツ消費に新たな価値が創出されたり見えないニーズがオンラインで掘り起されるスピードが加速している。はっきりと業界は変革期にあるといえるのではないでしょうか?

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ソース

 

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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