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英国出身のバンド、マムフォード&サンズ (Mumford & Sons)の新アルバム『バベル』 (Babel)が、米国で人気の聴き放題ができる定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)のストリーミング再生回数で新記録を樹立しました。

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http://www.pachinkorecords.com/artists.php#261 (日本発売元 パチンコレコーズ)
https://www.facebook.com/PachinkoRecords (パチンコレコーズ)

マムフォード&サンズの『バベル』はリリース後(9月25日)わずか一週間に、米国のSpotifyユーザーによってこれまでの記録を3倍上回る800万回近く視聴されたことが明らかになりました。米国のSpotifyユーザーの内10人に一人は『バベル』を聴いた計算になるそうです。

『バベル』リリースは米国で今年最大のアルバム初週売上を記録し、発売から7日間の9月30日までに60万枚を売り上げています。それまでの今年最大の記録はジャスティン・ビーバーの『Believe』で37万枚でした。

マムフォード&サンズの『バベル』リリースは、Spotifyのビジネスモデルに関する議論において、聴き放題のサブスクリプション(定額制)型音楽ストリーミングサービスとアルバム売上との良好な関係を構築できるという成功事例の一つと言えるのではないでしょうか。SpotifyがCDとデジタルの売上を減らす要因になると感じるアーティストやレーベル、マネージャーは、音楽ストリーミングサービスでの配信をリリース後に開始する「Windowing」行為を行っています。ですが、これまでに音楽ストリーミングサービスが売上に悪影響(カニバリゼーション)を与えているという証拠は、見つかっていません。Spotifyでの瞬間的な再生回数増加がユーザー間での露出効果を生み出し、売上に影響を与えたというデジタルによる新しい音楽消費形態が生まれつつあるとも言えます。

一方で、マムフォード人気はSpotifyだけの影響ではありません。バンドの2010年のデビューアルバム『Sign No More』はこれまでに2500万枚を売上げており(2010年初週の売上はわずか4000枚)、ツアー動員数も拡大しています。またFMラジオやカレッジラジオ(大学放送局)でも彼らの曲はオンエアされていることや、テレビ出演なども含め、バンドの音楽に接する機会が多いことが人気の要因だと思います。

Spotifyの効果としては、Spotifyで短期間に大勢の人に聴かれたことが、Spotifyユーザーが音楽好きな友人同士で情報を共有し合うソーシャルな音楽体験により、バンドの話題創りに一役買っていると言えます。直接的な売上ではなく、ファンに音楽を聴く機会を作ってくれるのがSpotifyの役割で、継続的再生や購入など熱心なファンと音楽との関係を深めてくれる新しいマーケティングツールだと感じました。

マムフォード&サンズの『バベル』は、リリース後全米アルバムチャートでは3週連続の首位獲得し、その他の国のアルバムチャートでも軒並み一位を獲得する勢いです。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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