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米国のみで利用が可能な無料のオンラインラジオPandoraは、オーストラリアとニュージーランドで音楽サービスを開始しました。

2カ国で始まったサービスでは、フルバージョンでPandoraが利用できるようになり、ユーザーはデスクトップとiOS/Androidのモバイルアプリケーションの両方でPandoraを楽しむことができます。Pandoraはまた2ヶ国のリスナー向けにローカルアーティストの選曲もキュレーションして提供します。

Pandoraにとっては、2007年にオセアニアから撤退して以来の再上陸となり、上場してから初めての海外展開になります。

証券取引委員会に提出した書類によれば、Pandoraはニュージーランドでの収益の25%以下を作曲家と音楽家に支払うことで同意したと記載されています。オーストラリアでの収益分配は発表されていません。Pandoraはオーストラリアの著作権団体であるAustralasian Performing Right Association (APRA)と、Australasian Mechanical Copyright Owners Society (AMCOS)、ニュージーランドのPPNZ Music Licensingとライセンス契約で合意に達したことで、今回のサービス開始に至りました。

ライセンス支払いに関する過去記事です。

米国最大のオンラインラジオPandora Radio、アーティストへの楽曲使用料を明かす、ドレイクへは年間300万ドルを支払う 

IFPI (International Federation of the Phonographic Industry) が発表した「デジタル・ミュージック・レポート2012」によれば、オーストラリアは2011年には世界第六位の規模を誇る音楽市場のため、Pandoraにとっては多くの音楽ファンを獲得できる可能性がある。

2011年:
フィジカル売上:2億6000万ドル (世界6位)
デジタル売上:1億8100万ドル (世界6位)
ロイヤリティ支払い:2580万ドル (世界8位)

また、Pandoraの米国1億7500万の登録ユーザーの内、1億1150万人以上がスマートフォンアプリ経由でPandoraにアクセスしており、これはPandora全体の視聴75%以上がモバイル上で行われているというデータがあります。

これらを参照した場合、オーストラリアのスマートフォン普及率は52%、ニュージーランドのスマートフォン普及率は米国と同じ44%と非常に米国とよく似た環境であると言えます。モバイルアクセスの消費者行動や成長を分析するには最適な市場である想定できることが、Pandoraが2ヶ国をテストマーケットに選んだ理由と考えられます。

Pandoraはオーストラリア最大のメディア企業Fairfox Mediaでデジタル部門を統括していたJane Huxleyという女性をマネージャーとして採用。また、ゼネラルモーターズ傘下の豪自動車メーカーであるホールデンとの提携を発表、車載システムへPandoraのサービスの導入を今後進めていく予定です。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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