英BBCは、今年のグラストンベリー・フェスティバルから3日間6ステージの計250時間に及ぶライブ・パフォーマンスをオンラインでライブストリーミング配信すると発表しました。今年のフェスティバルは「初めての完全なデジタル体験」になるとBBCは自身を持って語っています。
6ステージからのライブ・パフォーマンスはPC、モバイル、タブレットなど完全にマルチデバイス対応で配信されます。ステージのパフォーマンスの他には、ステージ裏の様子やアーティストのインタビューなども同時に配信される予定です。
今年のグラストンベリー・フェスティバルは6月28日(金)から30日(日)の開催で、ヘッドラインは、ローリング・ストーンズ、アークティックモンキーズ、マムフォード・アンド・サンズに決定しています。今年のフェスには135,000人以上が訪れる予定です。
BBCはグラストンベリーを1997年から中継を始め、以降毎年テレビやラジオで分厚い特集を組みフェスの模様をライブ中継してきました。今年のライブ配信では、120以上のライブパフォーマンスを従来のテレビ、ラジオに加え、ウェブ、モバイル、タブレット、コネクテッドTVのオンラインプラットフォーム向けに配信する予定です。
BBCのコントローラーを務めるRob Shennanは、今回のデジタル配信技術は、「2012年ロンドンオリンピックでBBCが成功したデジタル配信の経験と技術を応用したことから実現が可能になった」とコメントしています。「3日間に渡り6ステージからライブストリーミング配信するカバレッジは、過去前例のない『完全なデジタル配信』になるでしょう」と述べています。
スタンスややり方は違うけれどBBCは国営放送。日本でいえばNHK。国営放送が音楽フェスを3日間、放送するという音楽環境がイギリスでは90年代から続いている。それもテレビ中継だけでなくラジオでは24時間カバレッジなんていうこともやっている。それこそ他のメディアには生み出せない違いを作り、付加価値を提供している。グラストンベリーといえばBBCのカバレッジという流れにつながる。
日本も90年代には一大J-Popブームを生み出した時代があったにもかかわらず、業界全体でフェスやライブツアー、メディアといったその他の音楽文化を巻き込むことが出来なかった結果が、現在のデジタル配信やストリーミング中継対する不信感の原因を作ってしまったと考えられるのではないか? もしフジロックを日本のライブ音楽の象徴にしたければ、毎年誰もが参加したくてたまらないと感じるように、カッコイイライブ配信をするべきなのではないか?そこに日本のテクノロジー会社、例えばソフトバンクやソニーやが参加してネットワークや配信機材を提供するのでも全然いいと思う。これを毎年繰り返すほうが、一過性の強いプロジェクションマッピングなんかよりも音楽が好きな人にとっては全然価値ある行事と感じるだろうし、音楽イベントへの関与度が高まると思う。
早く日本でも音楽フェスがスマホやタブレットでも見れる時代が来てほしいと強く願っています。
ソース
Glastonbury: BBC coverage to be ‘truly digital’(5/30 BBC)