先日Amazonが、CDを購入すると無料でMP3データを提供してくれるサービス「AutoRip」をドイツ、イタリア、フランスのヨーロッパで開始したことを書きました。その二日後、AmazonはAutoRipを英国でも開始したことを発表しました。
サービス当初の対象アルバムは約35万枚で、1999年以降に購入したCDとアナログレコード、カセットテープをカバー。今後もメジャーレーベルだけでなく、インディーズレーベルのアルバムにも順次対応していくそうです。
米Amazon、過去に購入した音楽のMP3データを無償で提供してくれる便利なサービス「AutoRip」をヨーロッパでも開始
AutoRipは、Amazonで今年でCDを購入すると、256KbpsのMP3版が無料提供され、クラウド上の「Amazon Cloud Player」に自動保存してくれるサービスです。例えばAmazonでCDを購入した場合、CDが届けられる前からすでに、MP3データで購入直後から音楽を楽しむことができます。無料のAmazon Cloud PlayerにはPCやMac, スマートフォン、Kindle, スマートTVなどのデバイスでどこからでもアクセスが可能です。
また過去に購入して手放してしまった廃盤CDでも、対象作品であればMP3データとして取得することが可能になります。
さらに、過去にプレゼント・ギフトとして購入し誰かに送ったCDのMP3データもCloud Playerに保存されます。
British Phonographic Industry (英国レコード産業協会、BPI)の発表によると、2012年英国ではアルバム売上の69.6%がCD, アナログレコードなどフィジカルメディアが占めています。
2012年の英国音楽シーンはデジタル売上が顕著に、アルバム売上は11.2%減少、シングル売上は過去最高
Amazonの決定はすごくユーザーの理にかなったチョイスだと思います。音楽ストリーミングサービスなどへの急な移行は、音楽への関与が低い一般層やライトな音楽ファンにとってはまだまだハードルが高く、急激な普及にはつながりません。一方でCDなど旧式の音楽メディアの購入者の音楽消費行動を破壊することなく、デジタル(=ストリーミングサービス)への入り口を作ってあげるAmazonの音楽戦略はユーザーフレンドリーで、誰もが無理なく音楽を楽しむことが継続できるでしょう。
ソース
Amazon AutoRip comes to UK, puts all your CDs in the cloud(6/27 CNET UK)