Googleの音楽サービスも世界へ動き出した!

今年5月に始まったGoogleのサブスクリプション型音楽サービス「Google Play Music All Access」(GPMAA)が、英国を含むヨーロッパ9ヶ国でサービスを開始しました。

Googleは今後GPMAAでSpotifyやDeezerら音楽ストリーミングサービスがすでに普及するヨーロッパ市場で競争していきます。また今回のGoogleの展開は、今秋に開始されるAppleの「iTunes Radio」よりも先に世界展開しておきたいGoogleの戦略とも受け取れます。

International availability of content - Google Play Help

アップデートされたGoogle Playのページによれば、8月7日の時点でGPMAAはヨーロッパ9ヶ国が追加されています。5月開始時には米国のみだったGPMAAはこれで世界12ヶ国でサービス展開します。

・北米(1ヶ国):米国
・ヨーロッパ(9ヶ国):オーストリア、ベルギー、フランス、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、ポルトガル、スペイン、英国
・オセアニア(2ヶ国):オーストラリア、ニュージーランド

Google、サブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Google Play Music All Access」をオーストラリアとニュージーランドで提供開始

Googleは米国でのサービス開始時と同様に、新しいマーケットでも先行ユーザーにはディスカウント価格でGPMAAを提供しています。9月15日までに加入したユーザーには、月額料金が通常の9.99ユーロ(英国は9.99ポンド)から7.99ユーロ(英国は7.99ポンド)となります。

Google Play Music All Accessは今年の5月に開始した定額制の音楽ストリーミングサービスであり、音楽ディスカバリー・サービスです。ユーザーはAndroidまたはウェブで、Google Playの音楽や、自分がクラウド上にアップロードした音楽にアクセスし、いつでも音楽を聴き放題することができます。Google Play Music All AccessはSpotifyなどのフリーミアム・モデルを採用する音楽ストリーミングサービスと違い、9.99ドルの月額有料料金のみで提供しています。

  • 広告無しの音楽ストリーミングサービス
  • パーソナライズド・オンラインラジオ
  • 過去に聴いた音楽のテイストをベースにしたレコメンデーション機能

ヨーロッパで提供される機能はこれまで提供されてきたGPMAAと同様になります。

しかしGoogle Play Music All Accessは長らく待たれているiOSへの対応を実現できていません。従ってGPMAAを利用できるのは、現在でもAndroidユーザーのみに限定されています。

一見するとこれは非常にデメリットの大きいことのように聞こえます。しかし最新の市場調査によるとヨーロッパではAndroidが市場の70%以上を占めてiOSはわずか17.8%にとどまっているという結果があります。このことからもAndroidユーザーへのリーチが実現しやすいヨーロッパでGPMAAを展開することは、自然な選択だったと言えるでしょう。

Android Is Utterly Dominant In Europe, With 70% Of The Market Versus Apple’s 17.8%(7/1 Business Insider)

 

ソース
Google Play Music All Access comes to the UK, Europe, Australia, and New Zealand(8/7 The Verge)

[Update: It’s Live] Google Play Music All Access Comes To Austria, Belgium, France, Ireland, Italy, Luxembourg, Portugal, Spain, And The UK(8/7 Android Police)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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