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ラップミュージシャンのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)が無料のカメラアプリをリリースしたことは皆さんご存知でしょうか?

ラップミュージシャンのスヌープ・ドッグが毎週3万ドル稼ぐアプリとは?


スヌープ・ドッグのアプリは無料のカメラアプリ「Snoopify」といって、撮った写真をカスタマイズできるスタンプ無料で付いていてさらに有料で購入できます。「LINEカメラ」を想像してもらえばと思います。スヌープ・ドッグの有料スタンプは8個セットで99セント(100円以下)、または全スタンプがセットになった420個セットを1.99ドルという値段で販売しています。

スヌープ・ドッグはこの有料スタンプの販売で、毎週3万ドル (約300万円)を稼いでいるとスヌープのマネージャー、ニック・アドラー (Nick Adler)が以前ウォールストリートジャーナルの取材に答えていました。

史上最高額のスタンプ(?)

そのスヌープが新たに追加したスタンプがネットで話題になっています。

こちらが新しく追加されたスタンプです。セットではなく単品。そしてなんと値段が99.99ドル!

スタンプは1ドルや100円くらいが相場かと思っていましたが、なんと100ドル(1万円)で提供。あまりにも見当違いな価格設定で、果たして買う人は居たのでしょうか?

それが不思議なことに実際に買う人が徐々に現れ始めています。ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に答えたアドラーによると、「Golden Jay」スタンプをリリースして1週間の内に15人以上がダウンロードしたそうです。

買えるのはスタンプが1個。スタンプセットとは違い、使い道も限られていますよね。これはコスパも最悪ではないですか? それでも1週間で1500万ドル(約15万円)の売上がスタンプ1個からというのは、驚異的ではないでしょうか? この現象は、限定版やコレクターズ・エディションが売れているアナログレコード人気にも似ている気がします。

100ドルでも売れるプレミアムアイテム

Snoopifyアプリから音楽は直接は買えません。音楽アプリでもありません。ですが、スヌープ・ドッグの認知拡大とファンとのエンゲージメントを高めることにSnoopifyは貢献しています。スヌープのチームによる仕掛け作りは、ファンをどう楽しませることを中心に考えた、現代の音楽ビジネスに適した新しいアプローチだと思います。さらにアプリを通じてD2Fマーケティングも実現し現実的な収益源も作り出していますので、アーティストにとっても成功と言えるのではないでしょうか?

今、音楽が売れなくなった時代にどう音楽を売って生計をたてるかに悩むミュージシャンがとても多いです。スヌープ・ドッグはクリエイティブなアイデアを実現することで音楽を売らずともファンの興味をひくコンテンツを提供して「つながり」をつくり、ビジネスを生み出しています。時には音楽を売ることだけに執着するだけでなく、違った目線で自分たちが作れるコンテンツを見てみるのは今の音楽ビジネスでは大事なのではないでしょうか?

SnoopifyアプリはiOS、Androidスマホで利用できます。

 

ソース
Snoop Lion sells $100 digital pot stickers; people buy(8/6 CNET)

Snoopify App Sells $99.99 Digital Sticker, People Actually Buy It(8/6 Wall Street Journal)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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