Panasonic Automotive Systems Company of America and Blue Note Records to Collaborate on... -- DETROIT, Sept. 26, 2013  PRNewswire  --

パナソニックは名門ジャズ・レーベル「ブルーノート・レコード」と、自動車用オーディオ・システムおよびコンテンツを共同開発する契約で合意しました。

今回の提携は自動車都市デトロイトで業界のリーダーを招いて開催された、自動車関連の音楽ビジネス・カンファレンス「Crain’s Detroit Business Soundbiz Music Conference」の場で、ブルーノート・レコード社長でデトロイト出身のドン・ウォズ(Don Was)が発表しました。

Panasonic Automotive Systems Company of America and Blue Note Records to Collaborate on In-vehicle Audio Systems(発表資料)

今回の提携では、パナソニックはブルーノート・レコードと協力してカスタム車載オーディオシステムを開発しグローバル市場に向けて展開していきます。ブルーノート・レコードはエクスクルーシブなコンテンツをシステム向けに提供します。

パナソニックはまだどの自動車メーカーと提携しシステムをインストールするのかなど、具体的な製品化計画は明らかにしませんでした。

調査会社IHSによれば、2012年の自動車用インフォテイメント・システム市場は346億ドルにも上り、パナソニックはその中でもトップの市場シェア12.1%を占めています。

パナソニックは車載インフォテイメント・システム向けにこれまでもELS Surround System, フェンダー、Abbey Road Studiosとの提携を発表し、外部パートナーとの共同開発を拡大してきました。今回発表されたブルーノート・レコードとの提携もその一貫です。

パナソニック・オートモーティブ・システム・オブ・アメリカのマーケティング・新規ビジネス開発担当ディレクターのトム・ダンは

私達は市場にブランドを届けようとする良質な企業の話はいつでも受け入れます。デトロイト出身のウォズ氏は、自動車ビジネスへの理解と、自動車の購入に音楽体験が重要な役割を担うことへ高い関心を示してくれました。

とコメントしています。

ローリング・ストーンズやボブ・ディラン、ジョン・メイヤーなどのプロデューサーで、グラミー賞受賞プロデューサーでもあるウォズは、

もし素晴らしい曲が出来たなら、その曲をより多くの人に届ける方法を見つけてあげる必要があります。そして、どんな手を使ってでも実現させるべきです。今の時代にはたくさんの新しい方法に可能性があります。

業界全体に言えることだが、レコード会社は、CD売上からの限られた収益源の先を行かなければ成長はありません。

とコメントしています。

Timeline   Blue Note Records

ブルーノート・レコードは人気ジャズ・レーベルとしてマイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、アート・ブレイキー、ジミー・スミス、ドナルド・バードなどクラシックなジャズミュージシャンのカタログから、ロバート・グラスパー、ジェイソン・モラン、ノラ・ジョーンズなど現代の人気アーティストまで、新リリースからカタログ音源まで幅広い音楽を持つレーベルです。

海外では自動車メーカーがサードパーティと提携し、アプリや車載システムなどを提供する流れがここ数年で拡大しています。特に車載システムで音楽サービスやコンテンツプロバイダー、オンライン・メディアとの連携が進んでいるフォード、GM、クライスラーなどアメリカの自動車メーカーにとってユニークなコンテンツを車内でどれだけ提供できるかは、購入者獲得の魅力の一つになります。

ブルーノート・レコードもレーベルとして、面白い分野に拡大しますね。十分にカタログでも売れるような気がしますが、それには満足せずさらにビジネスを拡大するチャレンジ精神は、1930年代に始まったレーベルとは思えないほど、時代の変化を先読みしています。

来年のCESで発表あるかな?

ソース
Blue Note and Panasonic Partner on In-Car Audio (Exclusive)(9/26 Billboard.biz)
Panasonic, Blue Note Records announce deal to create custom in-vehicle audio systems(9/26 Crain’s Detroit Business)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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