リスナー同士が好きなアーティストやジャンルの音楽を一緒に聴きながらコミュニケーションができる、Spotify音楽アプリのスタートアップ「Soundrop」(サウンドロップ)が、新たな資金調達に成功したことを発表しました。

調達額は340万ドル(約3億3400万円)。主要な投資会社は、スポティファイに初期から投資を行ったNorthzoneと、ノルウェー政府が運営するVC、Investinorです。

Soundropは2012年6月にNorhzoneから300万ドルを調達したシリーズAに続く二度目の資金調達になります。

Northzoneのパートナーで、Soundropの取締役会長も務めるTorleif Ahlsandは、

SoundropがNorthzoneから投資を受けて以来、同社は製品開発とスポティファイとの連携を強化してきました。そして今、製品は成熟期の新たなレベルに達し、Soundropは次のステージへ進みます

とコメントしています。

Soundropはノルウェーの音楽スタートアップで、Spotifyやブラウザ上でリスナーが好きなアーティスト、ジャンル、テーマに分かれたリスニングルームで、音楽を共聴しながらチャットができる、コミュニケーションサービスを提供しています。SoundropはSpotify音楽アプリ、iOS、Androidアプリ、ウェブブラウザ上で展開し、音楽のインタレストグラフを軸にユーザーのコミュニケーションを活性化している注目の音楽サービスです。

Soundropの急速な成長

過去18ヶ月に渡り、Soundropでは130組以上のアーティストが参加したリスニング・イベントを開催してきました。参加したアーティストは、Orbital、シガーロス、Imagine Dragons、ロビン・シック、Owl Cityなどが挙げられます。

SOUNDROP – Home

Soundropは2011年12月にスポティファイが発表したSpotify音楽アプリのプラットフォーム戦略で、最初に公開されたアプリの一つでした。その後2012年に入り、SoundropはiOS向けアプリをリリースします。

2012年11月にはSoundropは3億4000万曲以上が同Spotify音楽アプリで再生されたことを発表。同時にSDKをリリースし、今後はスポティファイ以外のプラットフォームでの拡張を計画していることを明らかにします。そして2013年1月にはFacebookと連携し、Facebookの友人とも聴いている音楽でつながることも可能になりました、又アーティスト向けにFacebookでリスニングルームを実装可能にし、Abbaやニック・ケイブ、Hot Chipなどアーティストの公式ページに導入が可能になりました。さらにYouTubeやVevoから音楽コンテンツを抽出できるように外部パートナーとの連携を強化、スポティファイ会員以外のユーザーも楽しめるようサービスを改善してきました。

2013年4月にSoundropはブラウザでのサービス展開を開始、ウェブ上でもSpotify音楽アプリやFacebookアプリ同様にスポティファイ、YouTube、Vevoの音楽ソースを利用できるようになりました。

そして5月にはスポティファイ上の全アーティスト向けのリスニングルームを開始し、リスナーがいつでも好きな時にリスニングイベントを開催できるようにしました。またリスニングイベントをより効率的に運営するため、レーベル、アーティスト、マネジメントがリスニングルームの管理者になるリクエストが送れるようになりました。

SOUNDROP – Home (1)

また5月には音楽ジャンルやアーティスト別カテゴリー以外に、「アクティビティ」や「ムード」別などでキュレーションされたリスニングルームを設置開始し、アーティスト以外のキッカケから音楽を視聴できるアプローチに拡大しました。

今回新規に資金調達を成功させたことにより、Soundropは今後どのような方向に事業を拡大するか、注目です。その可能性の一つには、海外展開です。現在Soundropはノルウェーのオスロに本社を構え、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンにオフィスを持っています。もう一つの可能性は外部パートナーとの提携です。可能性として上げられるのは、DeezerやRdioなど音楽ストリーミングサービスがあげられます。

www.facebook.com/soundrop
www.twitter.com/soundrop

ソース
Social music startup Soundrop raises $3.4m in new funding(9/30)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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