音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)は、スマホ向けメッセージアプリ「Tango」とパートナーシップで合意し、Tangoユーザー向けに音楽を使った新しいメッセージ機能を提供していきます。
Tangoユーザーは、Spotifyを使って30秒の好きな音楽クリップをユーザー同士でメッセージと一緒に共有することが可能になります。サービスはSpotifyがサービス展開する世界32カ国で利用可能です。またこの連携では、TangoユーザーはSpotifyの会員登録することなく、2000万曲以上の楽曲カタログからクリップを探して共有することが可能になります。
TangoユーザーでSpotifyプレミアム・アカウントを持つ場合、メッセージ内のクリップからSpotifyモバイルアプリを開きフル視聴することもできます。
カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするTangoは、世界で登録者数1億6000万人、月間アクティブユーザー6000万人を持つメッセージアプリです。一方Spotifyは、アクティブユーザー数2400万人、有料会員数600万人以上を持つ、世界最大の音楽ストリーミングサービスです。
TangoはLINEとKakaoTalkに追いつくために、新しいコンテンツの提供に力を入れています。今年6月にTangoはゲームサービスを開始し、同社によればゲームを導入して以来メッセージアプリの利用時間が25-40%増加しているそうです。
Spotifyとメッセージアプリの今後
Spotifyの戦略パートナーシップ担当副社長のTom Hsiehは
Tangoのようなモバイル・メッセージ・アプリはコンテンツを共有する時の手間を省いてくれます。私達Spotifyの世界規模での成長を支援してくれる理想的なプラットフォームであり、世界中のユーザーに音楽を必要な時に届けてくれます。
とコメントしています。
またHsiehは、SpotifyとTangoの提携で、両社が今後新機能やユーザー体験の強化を図っていくとしながらも、独占的な提携では無いことも明らかにしています。
私達は常に可能性のあるパートナーと対話しています。しかし今は何もまだ発表できません。
今回の提携でTangoはモバイルアプリからSpotifyプレミアム・アカウントに登録した分をSpotifyとレベニューシェアします。
メッセージアプリの利用頻度が一般的に高まる中、聴ける音楽を共有できることは、音楽好き同士にとっては嬉しい機能ですね。この手の提携はSpotifyが競合よりもいち早く実現しました。日本でもLINEが「LINE Music」を始める予定ですが、日常会話に音楽を自然な形で入れられるメッセージアプリと音楽アプリの組み合わせは、面白い試みだと思います。
アドオン的な感覚で使えるところも、いいと思いました。「音楽プレーヤー」単体でユーザー同士でコミュニケーションを測ったりすることは、一般の人にはまだハードルが高いと思います。自分の音楽をシェアしたければ、普段使う音楽プレーヤーのFacebook連携やプレイリスト共有機能で実現できます。友達同士で会話している時は、普段使いしているアプリ=メッセーアプリを使うことが一番ユーザーの行動に変化を与えること無く自然だと思いますので、どれだけ普段使いしてもらえるかがカギなのではと感じました。
ソース
Spotify boards the mobile messaging train, bringing 30-second shareable music clips to Tango (11/1 The Next Web)
Let’s Tango!(10/30 Spotify Blog)