アメリカのロックバンド「Imagine Dragons」(イマジン・ドラゴンズ)のボーカリスト、ダン・レイノルズが世界で急成長しているサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Spotify」を支持すると、インタビューで答えています。

今年世界的にブレークしたImagine Dragonsのシングル「Radioactive」は、Spotifyで2013年2番目に最も再生された曲で、再生回数は1億5400万回以上を記録しています。

imaginedragons spotify

その他のの楽曲も「On Top Of The World」(4670万回)、「Demons」(5150万回)、「It’s Time」(7100万回)以上も再生されており、Spotify内でも人気の高さが伺えます。

レイノルズは、Spotifyは楽曲再生がチケット販売などへつながり、バンドの収益を拡大することに大きく貢献していると答え、新人アーティストのためになっていないと語るトム・ヨークの考えを問題として取り上げています。

トム・ヨークが死に行く業界について口にしていることは知ってる。僕は彼を本当に尊敬してる。素晴らしいアーティストだよ。Radioheadはずっと聴いてるし、Atoms For Peaceも素晴らしい。

でも、僕は彼のスタンスに反対だし、そう思う理由も十分に知っている。僕はSpotifyを使ってアーティストを見つけて、音楽が好きになったからライブに足を運ぶ人を大勢見てきた。

僕たちはSpotifyでよく聴かれるグループの一つになれた。今年は最高の年だったよ。ライブには大勢の人が来るようになったし、チケットはソールドアウトする。(経済的に)僕たちは十分にやれてる。全く不満なんてないね。彼ら(Spotify)のシステムはうまく機能している。僕たちはアーティストとして活動できてるからね。

レイノルズは、Spotifyからの収入について、

大きな収入があったかって?ないね。いつかは来るだろうし、(長期的なロイヤリティ収入は)時間もかかると思う。でも僕は、どのアーティストもiTunesやレコードの売上から大きな収入があるなんてすでに感じてないと思ってる。

CDやレコードの売上は下がったままだ。でも今アーティストはそこから稼いでいるんじゃない。アーティストはライブで稼いでいるんだ。ライブが僕たちの全てだ。そこに僕たちは時間とお金を注いでいる。僕たちが音楽を始めた原点でもあるしね。

業界は変化している。(Spotifyや音楽ストリーミングサービスが)業界の未来だなんて言っているんじゃない。だけど、頑なに拒否はしないよ。

お金のためや金持ちになるために音楽をやっているわけじゃない。誤解しないで欲しい。家族を養っていくことは僕にとってとても重要だ。でもツアーが収入源になっていることを僕は受け入れた気がするよ。

YouTube、Spotify、iTunesとか何かしらのプラットフォームは、ライブに足を運ばせるための手段だ。音楽は、例えばアートスタジオに来てほしい人にあげる招待状のように、誰かに贈るためのものだ。

Imagine Dragonsは2008年結成だが、2012年に出したデビューアルバム「Night Vision」がヒットしたアーティストで、言ってみれば新人に近い。ここが長年経歴を積み重ねてきたトム・ヨークやナイジェル・ゴドリッチ、デヴィッド・バーン、ベックと大きく異る点です。つまりImagine Dragonsのような新人バンドにとってSpotifyは効率的なプロモーション・ツールとして、ツアーやライブへの動員確保の導線になっている。この議論はトム・ヨークらの意見とは全く異なります。

ロックミュージシャンのベック、音楽ストリーミング「 Spotify 」の問題点を指摘
デヴィッド・バーンが音楽ストリーミングの「 Spotify 」を批判、ネットで話題に

https://twitter.com/thomyorke/statuses/356473323489722370

さらにトム・ヨークがいう「新人を見つけにくい, 不平等だ」の考えを、新人のImagine Dragonsがそれは違うといっていることも、大きな議論のテーマです。バンドやアーティストによって音楽をする目的は違います。ライブの人もいれば、制作の人もいるでしょう。それからもっと重要なのは、ファンが音楽に接し方も違います。アーティストの中でも、Spotifyや音楽ストリーミングに対する価値観が違っていることが、だんだんと表面化しているような気がします。

ソース

‘My band’s one of Spotify’s most popular artists. And I’m okay with it not paying too much’(11/14 Music Week)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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