ロックやポップをカバーしている世界的な音楽メディア「ローリングストーン」がカントリーミュージック専門のメディア「Rolling Stone Country」を立ち上げる計画を発表しました。

ローリングストーンの親会社Wenner Mediaは、2014年第2四半期にカントリーミュージック専門のサイトを立ち上げ、同時にローリングストーンのカントリーミュージック専門誌(プリント版)を創刊します。Rolling Stone.comのディレクターでローリングストーン誌共同創業者Jann Wennerの息子Gus Wennerによれば、ローリングストーンは専門サイト立ち上げのためにテネシー州ナッシュビルにオフィスを構え、10-15人体制の編集スタッフを雇用し、毎日8-12のコンテンツを公開するとのことです。

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ローリングストーンの発行人クリス・マクラフリン(Chris McLoughlin)は、

カントリーミュージックの分野に視野を広げることで、ローリングストーンの読者を拡大できる可能性がある

とコメントし、2014年は新サイトに100万ドル以上の予算を投入すると述べています。

テイラー・スウィフトやばい! via

カントリーミュージックは2012年、業界のアルバム売上が4.2%増加し業界規模は10億ドルに達するほど巨大な市場に成長しています。

カントリー歌手は全国区の広告やブランドのプロモーションに起用されています。Lady Antebellumとリプトン・ティー、Jason Aldeanとクアーズライトのように大手企業の広告に出演するケースや、全国スーパー・チェーン店のウォールマートの広告に出演するBlake Sheltonは、NBCネットワークのアマチュア・オーディション番組「The Voice」にコーチとして出演しています。

キャリー・アンダーウッドやばい via

マクラフリンはこのトレンドについて、

特定の業種のブランドはカントリー歌手を起用したがる傾向にあります。なぜならカントリー歌手は非常にフレンドリーな存在で、誰もが接しやすく、ファンをとても大切にするアーティスト達だからです

とコメントしています。

カントリーミュージックの分野では雑誌「Country Weekly」やAOLの「The Boot」Yahoo Musicの「Dodge Ram」などすでに多くのユーザーを抱える専門メディアが存在します。

一方、ローリングストーンのプリント版は2013年度前半に前年同期比28%減と大きな売上低下に直面しました。

新しいカントリーミュージック専門サイトは、始めの12ヶ月で月間ユニーク訪問者数100万人を目指すとWennerはコメントしています。ローリングストーンのウェブサイトへの月間ユニーク訪問者数は、10月には4300万人に達し前年同期比34%増加しています。

ローリングストーンのカントリーミュージック専門誌は12-13ドルになる予定ですが、出版は不定期になる模様です。

Wenner Mediaはローリングストーンの他に「Men’s Journal」、「Us Weekly」を運営しています。


カントリーミュージックというと日本では全く取り上げられませんが、アメリカでは大変な人気です。2012年に最も売れたCDでは2位がテイラー・スウィフトの「RED」、6位がキャリー・アンダーウッドの「Blown Away」、7位がルーク・ブライアンの「Tailgates & Tanlines」、10位がジェイソン・アルディーンの「Night Train」とトップ10の内4つがカントリーミュージックという高い人気=売上になっています。

でもそう簡単に音楽メディアは成功できるのでしょうか? ローリングストーンほどの規模になれば違うのかと思うけれど、新しいジャンルに進出するとなると、ノウハウも違ってくるんじゃないかな?いずれにしても面白い流れですね。

このレポートでは各国で運営されるローリングストーンについては書かれていません。
http://www.rollingstonejapan.com/

ソース
Rolling Stone Plans a Standalone Website to Cover Country Music(12/5 AdAge)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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