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音楽の魅力を学ぶ手段には、音楽を買って聴くことも本を読むこともドキュメンタリー映画を見ることも、自分なりにアレンジすればかなりできます。でも世の中にはこんな贅沢な授業があるんですねー。

ヒップホップグループ、ザ・ルーツのバンドリーダーでドラマーのAmir “Questlove” Thompson(アミール“クエストラヴ”トンプソン)が大学の講師を務めるクラスが始まりました。それもテーマは、生きる伝説の「プリンス」!

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ニューヨーク大学の音楽学部の授業の1つで始まった「Topics in Recorded Music: Prince」では、ミネソタに拠点を置き、メディアからは普段距離をおきながらも70年代から活動を続け、スーパーボールのハーフタイムショーにも出演する天才アーティスト、プリンスの音楽や制作スタイル、ビジネス、アーティスト性を深堀りしプリンスの音楽性を分析していきます。

クラスに参加できる生徒数はわずかに20名。

7週間のコースはクエストラブと、グラミー賞受賞プロデューサーでユニバーサルミュージック・エンタープライズのA&R担当副社長のHarry Weingerによって教えられます。

クエストラブが講師に選ばれた理由は、ただアーティストの知名度の高さではなく、彼が筋金入りのプリンス愛好家であることが招かれた理由です。クラスでは、1976年に録音された楽曲「Baby」のオープンリールのデモテープを持ち込んだり、個人所有のブートレッグテープやデモ・テープを持ち込んで教材として使っています。

クエストラブは2013年からニューヨーク大学で音楽の歴史やスタイル、歌詞、ビジネス、制作についてのクラスを教えてきました。昨年、クエストラブのクラスの最終日にはビースティ・ボーイズのメンバーが訪問するというアーティストならではのサプライズがありました。

まだプリンスがクエストラブのクラスに現れるかどうかは分かっていませんが、サプライズゲストで登場することにはクエストラブ本人は「大歓迎だ!」とコメントしています。

この大学の音楽学部の名は「Clive Davis Institute of Recorded Music」で、「音楽の起業家」を育てるためのコースを提供しています。この学部では、レコード会社で将来働きたい人や、革新的なレコード・プロデューサーになりたい人、ビジネス志向を身に付けたい音楽ジャーナリストや批評家の卵などが、最先端のビジネススキルを学び斬新なアイデアを広げるための起業家向け講座を教えています。

音楽をアーティストから直接学べる機会なんてめったにないチャンス。それ以上に驚くのは、アーティストが他のアーティストの音楽性や価値を教えるところ。良い音楽を伝えることは、一昔のDJのようで(クエストラブはDJでもある)、音楽の魅力を若者に伝え継承する文化が根付いている国だということがよく分かる例です。

ソース
Professor Questlove schools NYU students in Prince 101(3/22 New York Post)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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