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音楽サービスとリアルな世界の組み合わせは可能性無限です。

海外には寄付する文化が強く根付いています。「寄付」する行為が日常的なレベルまで広がっているため、寄付する側も募金することに対して敷居が低く行動を起こす機会が多くあります。また寄付される側(チャリティーを運営する側)も寄付を募ることを日常的に行い、また募る方法を工夫するので様々な方法で活動が行われています。

音楽を使った寄付活動もその1つ。一般的に考えた場合「チャリティ・コンサート」が思い出されると思いますが、もっと日常的に使うデジタル音楽サービスを用いて寄付ができるやり方も作れることを見せてくれた音楽アプリが登場しました。

今月ローンチした、音楽アプリ「Guilty Pledgers」は、定額制音楽ストリーミングサービスSpotify初となる募金音楽アプリです。このアプリは、世界最大のオンライン寄付プラットフォームのJustGivingSpotifyによるパートナーシップから生まれました。

Guilty Pledgers

「Guilty Pledgers」はSpotifyプレイリストと音楽好きな友人を寄付に上手くつなげた音楽アプリで、音楽を友人と楽しむ特別な時間をチャリティー活動へと置き換えています。ファンドレイジング・ディナーなどアメリカ大統領選などではよく見かけるが、それの音楽版と言えます。

アプリでは、友人と一緒に楽しむホームパーティーやディナー、BBQなどの特別な機会で流す音楽プレイリストに誰かが自分の好きな曲を追加したくなった場合、Spotifyから好きな曲を追加して楽しむことができます。ただし、曲を追加するための条件は、プレイリスト作成時に設定したチャリティーへの募金するという仕組みです。

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まず使い方の紹介です。サイトに飛ぶと「Join a Party」か「Create a Party」の2つの選択します。

このアプリでは、誰でもJustGivingで実施されているチャリティー用にプレイリストを作成ができます。チャリティー運営者でもチャリティ活動に関心がある一般ユーザーでも可能です。

そしてプレイリスト作成時に、日時や支援するチャリティー、目標金額を選択。イベントはFacebookの友人に通知が贈られます。チャリティーはJust Givingのサイトで紹介されている1万3000以上の中から自由に選ぶことができます。

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イベントに参加する友人知人は、プレイリストに好きな曲を追加したい時は、GuiltyPledgers.comにスマホからアクセスして曲をSpotifyから選択、設定された金額を寄付します。最低寄付金額は2ポンドととても少額。

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チャリティーには募金が集まり、プレイリストには曲が追加され、聴いている本人はハッピーに。Guilty Pledgersに参加する誰もが良い結果を体験できますね。

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Guilty Pledgersアプリを作成したのは、ロンドンのクリエイティブ・エージェンシー「Poke」のメンバー、Katy Theakston、Ben Tomlinson、 Andy Whitlockのチーム。

チャリティーコンサートも素晴らしい募金活動の1つです。ですが、コンサートに参加することは移動やチケット購入などハードルが高く、多くの人にとって非日常的な行動かもしれません。

Guilty Pledgersのオモシロイところは、Spotifyプレイリストを使る機会は、もっと人が楽しむ時間の中で自然に生まれます。例えば夏のキャンプやバーベキュー、会社の納会でもSpotifyプレイリストを利用することはできます。

夏に川でバーベキューをしている時に音楽をプレイすると楽しさも増大。さらに自分の好きな音楽がかかるとテンションも上がりイベントもさらに盛り上がる。そんな楽しい気分に浸れ、チャリティー活動にも参加できて、音楽を通じていい気分を体験できるのがGuilty Pledgersアプリの優れた設計です。

Spotifyはまだ日本に上陸していませんが、年内には開始するとの噂があります。もし日本でSpotifyが始まったなら、日本人の音楽好きが音楽を聴いて「楽しい」や「懐かしい」、「気が晴れた」「癒される」といった感情表現する機会が増えると思っています。

それらの感情は誰もが共感できる思いであって、また日本人だから共感できる思いもあるはずです。そんな感情を上手く人と共有できる音楽アプリや付加価値を提供する音楽サービスが、Spotify上陸後の日本から生まれて欲しいと強く願っています。例えば「Guilty Pledgers」アプリのような寄付アプリが震災支援向けに存在しても、不自然ではありませんし、むしろあるべきだと思います。

Spotifyの話になると、「月額〇〇円」とか「2000万曲」とか「日本音楽シーンの味方か敵か!」みたいな俯瞰的な話で盛り上がりがちです。が、もっとユーザー目線でSpotifyができる可能性を探る方が、これからの音楽シーンの盛り上がりに共感されやすいと思っています。さらに、音楽業界だけでなく、IT業界やデザイナー、クリエイティブ系の人達も巻き込んで、音楽で社会を変える大きな動きを実現できると信じているので、自分もGuilty Pledgersアプリのような斬新なアイデアを今後も紹介し続ける努力は続けていくつもりですし、もっと世界の音楽シーンを盛り上げていきたいです。

ソース
Spotify app Guilty Pledgers raises money for charity from cheesy tunes(3/4 The Guardian)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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