最新の音楽情報を告知する時Twitterを使うケースが一般化してきましたが、このプロモーションは明らかに普通ではないやり方を実行しているプロモーションです。
アメリカの二人組ロックバンド「ザ・ブラック・キーズ」が、新アルバムリリースの告知として、他人のTwitterアカウントから自分たちの新譜情報を発表するプロモーションを行い、告知直後から話題を集めています。
ザ・ブラック・キーズの新譜情報を独占的にツイートしたのは、元ヘビー級チャンピオンボクサーのマイク・タイソンのTwitterアカウントでした。
Turn Blue http://t.co/N7SaVjl1eD
— Mike Tyson (@MikeTyson) March 21, 2014
マイク・タイソンとザ・ブラック・キーズのつながりは全く分かりません。ですが、マイク・タイソンという色々な意味で話題性の高い存在から新作情報を知ることで、メディアやブロガー、ファンにとっても興味が深まり、ニュースの話題性を高めてくれます。
フォロワー数を見てみると、マイク・タイソンのTwitterアカウント(@MikeTyson)は、現在フォロワー数が410万人以上になっています。
一方ザ・ブラック・キーズのアカウント(@theblackkeys)のフォロワーは、約61万2000。マイク・タイソンの半分以下しかいません。
単純にフォロワー数だけで考えたプロモーションとは思えませんが、フォロワー数が多くさらに最も話題性の高い人から情報発信をすることで、「え、何!?」と思える意外性があるプロモーションを作り出しています。ツイートを単なるお知らせ通知ツールとして使うのではなく、ファンやメディアがどうすれば情報により高い確率で接してもらえるか、そのための情報ツールとして考えられた発想です。
Twitterという誰もが知っているツールを使ったシンプルなやり方ですが、プロモーションは自分たちのSNSアカウントで行わければならないという共通概念を覆すユニークさが、より多くのニュースを作る結果として現れています。
ザ・ブラック・キーズの新作『Turn Blue』は、グラミー賞を受賞した前作『El Camino』からのフォローアップです。リリースは5月13日、すでにザ・ブラック・キーズのサイトではプリオーダーが始まっています。24日には先行シングル「Fever」がネットで公開されました。
プロモーション用のデヴィッド・リンチ風な動画も同時にアップされて、こちらもネット上では話題になっています。
そういえば、ザ・ブラック・キーズは定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」での配信に否定的なミュージシャンの一組ですが、今回は先行シングル「Fever」をSpotifyでもすでに配信し始めています。
ソース
Blues rock band The Black Keys announce their new album on Mike Tyson’s Twitter (3/21 The Verge)