ロックミュージシャンのジャック・ホワイトは、アナログレコード人気再発を牽引するミュージシャンの1人です。最新アルバム「Lazaretto」リリースでは、単にジャケットアートや価格でファンを楽しませるのではなく、アナログレコードの再生方法にイノベーションを起こしています。
ジャック・ホワイトはLazarettoを「Ultra LP」と呼ぶ世界初の試みがいくつも仕込まれていたアナログレコードでリリースします。この仕掛けはジャック・ホワイト本人のアイデアとレコードプレス工場のエンジニアリングによって、実現したそうです。Ultra LPは音質や大きいジャケットアートでは再現できない、コレクションとしても音楽メディアとしても楽しめる、新しい音楽体験をアナログレコード好きなファンに提供してくれるかもしれません。
Ultra LPの内容を細かく見ていきましょう。
アウトサイド・ロックド・グルーブ
A面は通常の外から中への再生ではなく、中から外に再生します。そして外側の溝は、針が乗っている限り音楽がループするロックド・グルーブになっています。ビートルズの「サージェント・ペパーズ」などこれまでもロックド・グルーブは使われたLPは存在しましたが、外側に付いているLPはLazarettoが初めてになります。B面は内側の溝がロックド・グルーブになっています。
アンダーレーベル・グルーブ
A面B面真ん中に貼られた紙レーベルには、それぞれ隠しトラックが収録されています。A面は78RPM、B面は45RPMで再生します。LPの33RPMと合わせて、世界で初めて3つの異なる回転数で再生するレコードになります。
デュアルグルーブ・トラックイントロ
B面1曲目「Just One Drink」では、エレクトロニックとアコースティックの2バージョンのイントロを収録。ニードルを落とした場所により、それぞれ違うイントロが始まり、最終的には同じ曲へとつながります。
ホログラム
再生中にレコードを斜め上から見ると、A面の中央のワックス部分には回転する天使のホログラムが浮き上がって見えます。レコードにホログラムが埋め込まれたのは、世界初めてです。
このホログラムは、Infinity Light Scienceのトリスタン・デュークによるエッチングで一枚づつ手作業で作られています。
Ultra LPは、ジャック・ホワイトのレーベルThird Man Recordsのサイトから先行購入できますよ。Lazarettoは6月10日リリース予定。
Ultra LPが動く様子は動画でもご覧いただけます。
その他にこのLPは、レコーディング時からミキシング、マスタリングまでゼロ圧縮で収録されており、またCDやダウンロードとは異なるミキシングに仕上がっています。
トラックリスト
S i d e O n e
1. Three Women
2. Lazaretto
3. Temporary Ground
4. Would You Fight For My Love?
5. High Ball Stepper
S i d e T w o
6. Just One Drink
7. Alone in My Home
8. That Black Bat Licorice
9. Entitlement
10. I Think I Found the Culprit
11. Want and Able
音楽はデジタルにシフトしていますが、音楽を聴く・購入してもらう負荷価値がアナログ的な技術とアーティストのアイデアにまだまだ隠れている、そんな可能性をUltra LPは与えてくれます。
ソース
Jack White Details Hologram-Filled ‘Lazaretto’ Ultra LP(5/6 Rolling Stone)