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米アマゾンは聴き放題の音楽ストリーミングサービス早ければ今週中にもローンチする可能性が出てきました。

これまでの噂によれば、アマゾンの新しい音楽サービスは、Amazonプライム会員向けに無数の曲を広告に邪魔されること無く楽しめるサービスになる予定です。ですが一方で最新のリリースは配信されず、6カ月以上経ったリリースやアルバムが配信されると言われています。

そして今回ニューヨーク・タイムズによるレポートでは、アマゾンの新音楽サービスでは当初ソニーミュージックとワーナーミュージックのカタログは配信されますが、世界最大のレコード会社ユニバーサルミュージックのカタログは配信されないであろうと、複数のソースの情報を伝えています。

アマゾンはiTunesに次ぐ音楽ダウンロードストアです。

レコード会社や音楽出版社との交渉は約6カ月前から開始されましたが、ロイヤリティ額の低さに多くの企業が難色を示したことによって、開始に向けてなかなか合意に至りませんでした。米アマゾンは小さいレコード会社に対して、1年分のライセンス契約に合意する代わりに、予め用意してあるロイヤリティ額500万ドル(約5億円)分からのシェア(比率はアマゾンが考えるマーケットシェアによって決定)を与える提案をしてきたと、伝えられます。

大きなレーベルやディストリビューターとの契約では、特定のタイトルへアクセスするために1度限りのより大きな支払いが提示されました。米アマゾンは当初2500万ドル(約25億円)で考えていましたが、交渉の結果その額がいくらになったのかは分かっていません。

大手レコード会社のソニーミュージックとワーナーミュージックは米アマゾンとのライセンス契約に合意しました。しかしレディー・ガガやケイティ・ペリー、カニエ・ウェストなどスターを抱えるユニバーサルミュージックは合意することはありませんでした。

世界最大のレコード会社が参加を見合わせたことで、アマゾンの新音楽サービスはSpotifyやBeatsなど大手レーベル全てが参加する音楽サービスにとって、カタログ的には大きな脅威にはならないと見られています。しかし現在アマゾンは2億4400万個のアクティブアカウントを保有しており、Amazonプライム会員は2000万人を超えていると言われています。すでにプライム会員に加入している一般的なユーザーにとって、音楽サービスに参加することへのハードルが非常に低く設定されていることは大きなプラス要因です。

 

ソース
Amazon Said to Be Close to Unveiling Music Streaming Service(6/11 New York Times)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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