米アマゾンは噂の通り、聴き放題の音楽配信サービスをAmazonプライム会員向けに開始しました。アマゾンもこれでSpotifyやRdio、Deezer、Pandoraなど音楽ストリーミングサービスの分野に進出します。
大きな特徴はこの3つです。
・プライム会員は無料で利用可能
・Spotifyなど機能はオンデマンドのサブスクリプション型音楽配信と変わらないが、曲数が少ない
・豊富なプレイリストを用意
新音楽サービス「Amazon Prime Music」は広告に邪魔されることなく、無制限に音楽が聴くことができます。また、このサービスはプライム会員料金に含まれるので、会員には無料のサービスとなります。米アマゾンのプライム会員でないユーザーは、30日間のお試し期間が使えます。その後もサービスを利用する場合はプライム会員への登録が必要です。
Prime Musicにアクセスすると、プレイリスト、アルバム、アーティストが表示され、直接アルバムや楽曲をダウンロード購入することも可能です(別途料金)。
Amazonはサービスの特徴として、キュレーションされたプレイリストを数多く用意しています。これらのプレイリストはジャンルやムード、アーティスト別にカテゴリー分けされています。
Prime MusicはKindle、iPhone/Android、iPad、Windows/Macのウェブプレーヤーからアクセスが可能です。
ただしPrime Musicは、噂された通りユニバーサルミュージックの音楽を配信しません。これは事前にレポートがあったように、ライセンス契約で合意に至らなかったためと推測されます。
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Prime Musicが現在配信する楽曲数は9000アルバム、100万曲と言われ、ライバルのSpotifyの200万曲から大きくかけ離れています。なぜアマゾンが楽曲数が少ない音楽サービスをローンチしかのかは明らかではありません。
考えられることは、Spotifyのように年間120ドル(月額9.99ドル)で音楽視聴のみを利用するよりも、年間99ドルで音楽サービスが無料で利用できる(+その他のプラスアルファ)の方が、プライム会員にとってのメリットが高いとアマゾンは結論づけたのではないでしょうか?
またSpotifyと違ってライセンス問題で最新リリースを配信できないPrime Musicでも、バックカタログ中心のプレイリストがしっかり機能すれば、不満を唱えるリスナーもいないのではと考えた上でのローンチとも思えます。最新リリースは聴ければ嬉しいです。ですが大抵のリスナーは最新リリースよりも、自分の好きなアーティストを何度も聴き続けたいはずです。従ってPrime Musicの狙いは、新作を探しているリスナーよりも継続的に人気のアーティストの楽曲を好んで聞いてくれるリスナーだと考えられます。
前にも書きましたが、アマゾンはどのアーティストが人気あるかは購入データで分析していると言われています。
米アマゾンは6月18日(米国時間)にプレス向けイベントを開催予定で、独自開発のスマートフォンを発表すると言われています。もしPrime Musicについての新たな発表が期待できるとすれば、このイベントになるでしょう。
ソース
Amazon’s Sort-of Free and Not Very Big Subscription Music Service Is Finally Here(6/12 Re/code)