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先日テイラー・スウィフトがサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)から全アルバムを削除した販売戦略を新アルバムで実施したことはアメリカだけでなく日本や世界でも話題になっています。

アーティストと音楽サービス間における音楽の価値の議論が広がる中、数多くのアーティストを担当してきた伝説的なプロデューサー、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)がSpotifyを支援するコメントをFacebookに投稿しています。

クインシー・ジョーンズは、

この重要な時期に私は成長し続けるSpotifyにいるパートナー達を支持することに誇りを持っている。Spotifyは敵ではない海賊行為こそが敵だ。Spotifyは売上の70%をミュージシャンと権利保有者に分配している。もし私が「スリラー」を今日リリースしたら、もちろんSpotifyで配信することは間違いない。広がってしまった問題は元に戻すことはできないのだよ。一緒に協力して音楽業界にある問題の解決策を見つけよう

クインシー・ジョーンズは過去にDJ Tiestoなどと共にミュージシャン専用のSpotify音楽アプリをリリースするなど、定額制音楽配信の可能性を肯定するスタンスを取ってきました。

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11月5日週でテイラー・スウィフトの「1989」は米国だけで128万7,000枚を売上げ、2002年にエミネムが「The Eminem Show」の売上130万枚以上以降で最も早く売れたアルバムとなりました。「1989」は2014年リリースでは最大売上を記録しているアルバムで、「アナ雪」サウンドトラックに次いで2位の売上を記録しています。

日本ではまだ上陸していないSpotifyですが、テイラー・スウィフトの行動はこれまで音楽業界内だけで繰り広げられてきた議論を、クリエイターやファンまで巻き込んでデジタル音楽の価値について考える機会に広がりました。作品のクリエイターであるアーティストが声を上げ、ファンが考えることで、音楽の届け方やサービスの活用方法、デジタル音楽の価値が最大化するための議論が増えることは健全的な流れだと感じます。音楽の未来を考えていくためにも、まだSpotifyが始まっていない日本の音楽シーンでも期待したいです。

ソース
Facebook


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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