ソーシャル機能を搭載した聴き放題のオンデマンド型音楽ストリーミングサービス『Spotify』が、アーティストに特化したSpotifyアプリケーションを発表しました。

アーティストアプリでは、アーティストがキュレーターとなりプレイリストやおススメの1枚を配信でき、ファンはアーティストアプリを介して音楽を聴くキッカケとなる「音楽ディスカバリー」を向上し、膨大な音楽の中から音楽を見つけやすくなる。

第一弾で登場したのは、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)、ティエスト(DJ TIesto)、ランシド(Rancid)、Disturbedの4組。Spotifyによれば、Steve Aokiなどのアーティストアプリが今後順次追加予定だそうです。

日本で展開する時は、ミスター・チルドレンやB’zといったアーティストアプリが開始されるイメージでしょうか?ファンにはうれしいですね

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Spotifyは、強力なソーシャル機能を搭載したオンデマンド定額制のクラウド型音楽サービス。フリーミアムのビジネスモデルを採用し、ユーザーは無料プラン(広告、再生時間制限付き)と2種類の有料プラン「アンリミテッド・プラン」(月額5ドル、PCアクセス)と「プレミアム・プラン」(月額10ドル、PC・モバイルアクセス)を選択し、PCやモバイル、アプリ経由で1800曲が聴き放題で楽しむことができる。現在世界15カ国で展開しており、2011年にはアクティブユーザー数1000人、有料会員数が300人に到達するほど急速に人気を集めています。またAPIを解放して開発者が独自の音楽アプリを作成できる「プラットフォーム戦略」を推進している、全く新しい音楽SNSです。日本では今後展開が予想されます。

ローンチイベントで、クインシー・ジョーンズとブルーノ・マーズ

アプリはミュージシャンのクリエイティブ力が反映されるよう、コンテンツ形式が各自異なる。アプリを簡単に紹介します。

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QUINCY JONES – THE STORIES BEHIND THE MUSIC  

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マイケル・ジャクソン、フランク・シナトラ、「We are the World」や映画「カラーパープル」サントラと制作し、数々の賞を受賞してきた、アメリカ音楽界の大物プロデューサー、クインシー・ジョーンズの作品を、彼のオーディオコメンタリー、アートワーク、影響したアーティストのプレイリスト、映画と音楽を紹介しているアプリ。

TIЁSTO’S CLUB LIFE  TiestoがSpotifyからキュレートしたダンスミュージックを紹介するアプリで、「Single of the Week」、「Album of the week」、「Festival of the Month」、ダンスミュージックチャートと、Tiestoお気に入りサウンドがファンはチェックできる。

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RANCID パンクを中心のプレイリストをランシドがキュレーションするアプリ。影響を受けたアルバムの解説をバンドメンバーが各自掲載している。

既にプレイリストには、Refusedの「The Shape of Punk to Come」 Ramonesの「Leave Home」、The Clashの「Give ‘Em Enough Rope」、The Last Resortの「Skinhead Anthems」、Controlの「Punk Rock Ruined My Life」、Xの「Under the Big Black Sun」が追加されている。

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DISTURBED 各バンドメンバーが、過去・現在・未来のロックやメタルでプレイリストを作成し紹介したり、バンドにゆかりのあるゲストアーティストがプレイリストを作成するアプリ。バンドメンバーが今何を聴いているか、どんなバンドから影響を受けたか、どのバンドが今後出てくるのかを、ファンはアプリから知ることができる。

自分も以前は、雑誌の巻末に出てたDJチャートを見て、検索してネットで買ったりショップに行って買ったりしていたことを思い出しました。好きなDJがプレイする曲だから、間違いないという安心と、ちょっとでも近づきたいという憧れがあり、これらの視点からDJチャート・トラックリスト・ミックステープ・プレイリストで始まる音楽体験は、音楽を聴き始めるための要因の一つでした。

Spotifyアーティストアプリはクリエイティブ性溢れるアーティストがキュレーターとなって、音楽とファンとのエンゲージメントを深めてくれる。Twitterで同じことをやろうとしても、ノイズが多く他の情報/アカウントに埋もれてしまい、音楽にフォーカスしたエンゲージメントが生まれにくい。またアプリを経由することで、Spotify(やiTunesなど)上で単純に再生ボタンを押して聴くだけよりも、ファンは楽しみながら音楽と接することができる。Spotifyアーティストアプリは、音楽を聴きたいと思わせる場づくりを支援する。これが今後は重要になってきそうです。

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アーティストアプリで紹介された楽曲から、ヒット曲が生まれるなんてことも、Spotifyアプリを使うとあり得そうですね。

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ソース

Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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