ヒップホップMCで起業家でもあるジェイ・Zは、5,600万ドルという巨大資金を投入して、北欧の音楽ストリーミングサーヴィス「WiMP」と「TIDAL」を運営するスウェーデンのIT企業Aspiroの買収を試みました。しかしこの計画はAspiroの株主によって拒絶されたことをAspiroが正式に発表しました。
【関連記事】
ジェイ・Zが「音楽ストリーミング・ビジネス」参入でアップル、Spotifyに対抗か? 音楽配信WiMPとハイレゾ配信Tidal運営会社に買収を提案
Aspiroは1月末にジェイ・Zの持株会社S. Carter Enterprisesの子会社Project Panther Bidcoによる買収が提案され、合意したことを発表しました。しかし買収を完了させるために必要だった株主からの合意が得られなかったことで、提案は却下されました。
その理由は「Aspiroの可能性に見合う提案ではない」と少数株主は説明しています。Aspiroは2014年秋のローンチにおける巨額の投資を行い、さらには2015年Q1には20カ国でローンチする世界展開を計画していることからも、買収提案の5,600万ドルでは十分ではないと判断されたようです。
「WiMP」は2011年に開始した定額制音楽ストリーミングサーヴィスで、北欧を中心に5カ国でサーヴィスを展開して、根強い人気を獲得しています。一方の「TIDAL」は高音質な音源を配信する、定額制音楽ストリーミング。昨年秋にはアメリカでもサーヴィスを開始しています。
特に差別化要因として興味深いのが、Tidalの存在。Tidalがユニークな点は、44.1kHz/16ビット FLAC/ALAC形式を1141kbpsのCD音質で配信することが技術的に可能で、一般的な競合よりも約4倍、音質が向上していることです。
ソース
Shareholders Challenge Jay Z’s “Bad” Bid For Aspiro Streaming Music Services(2/24 hypebot)
photo credit: www.adamglanzmanphotography.com cc