米ヤフーは2014年からイベント・プロモーション企業の最大手ライブ・ネイションと提携し、365日毎日コンサートを無料でライブストリーミング配信するシリーズ「Yahoo Live」を開始して、音楽コンテンツの強化を図ってきました。そして先日ヤフーはライブ・ネイションとの契約を1年更新し、コンサート・コンテンツをさらに強化することを発表しました。
https://screen.yahoo.com/live/livenation/
ライブ・ネイションとの契約では、ヤフーはこれまで通りのコンサートだけでなく、ライブ・ネイションが手がける大型フェスティバルのライブストリーミングも同サイトから配信していきます。この中には、ラスベガスで6月に開催される大型野外EDMフェスティバル「Electric Daisy Carnival」も含まれる予定です。
2014年7月に開始したYahoo Liveには、2014年末までに1億1000万人がコンサートシリーズをストリーミング再生しています。365日毎日配信するチャンネルでは、これまでデイブ・マシューズ・バンド、ジョン・レジェンド、アッシャー、ジャスティン・ティンバーレイクなど大物アーティストを始め、ライブ・ネイションがプロデュースするコンサートが配信されています。
またヤフーはライブ以外のコンテンツも新たに展開します。その一つが、エレクトロニックミュージック DJを発掘するライブショー「Ultimate DJ」です。
世界中の新人DJを見つけるコンペ番組には、オーディション番組「X Factor」のプロデューサー、サイモン・コーウェル(Simon Cowell)や、ソニーミュージック傘下のダンスミュージックレーベル「Ultra Records」社長パトリック・モクスレイ(Patrick Moxey)らがプロデューサーとして名を連ねます。優勝者はメジャーなフェスでDJするチャンスに加え、Ultra Recordsとの契約が待っています。配信以外にも、投票にはTumblrが活用されるそうで、ヤフーのテクノロジーと連携したコンテンツになりそうです。
その他の音楽コンテンツでは、米ストリーミングラジオ「iHeartRadio」との提携によるコンサートシリーズもYahoo Liveで配信されます。iHeartRadioが手掛けるコンサートに加えて、Ultimate Pool PartyやiHeartRadio Music Festival、Jingle BallなどのイベントもYahoo Liveで配信する予定です。
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米ヤフーのコンテンツ戦略は「Digital Magazines」というバーティカルの編集コンテンツを土台にして2014年から本格展開を始め、今回の発表では音楽コンテンツを始め14の新しいコンテンツ・シリーズを含む47のオリジナル・コンテンツにまで拡大しています。
これまで音楽の動画配信といえば、YouTubeか、大規模なフェスのストリーミング配信に二極化している傾向がありました。ヤフーはライブ・ネイションという強力なパートナーを得て、ネットユーザーとの愛称がいい良質な動画コンテンツで、音楽産業にデジタルメディアでのライブ配信というモデルで風穴を開けようとしています。
既にライブ・ネイションは、人気のネットメディアVice Mediaとの提携を発表、両社で音楽チャンネルを作っていく計画を明らかにしています。同じような連携は、このことからしても、今後は強力な配信機能を持つデジタルメディアが音楽コンテンツと組むモデルは可能性として増えていくのではないでしょうか?
ソース
Yahoo’s Mayer Bullish on Video For Magazines, Lukewarm on ‘Yahoo Screen’ (4/28 Wall Street Journal)
Yahoo Live is the Ultimate Digital Destination for… (Yahoo)