アメリカの定額制音楽ストリーミングサービス「Rdio」が、音楽サービスの価格戦争に一石を投じます。
Rdioは、音楽ストリーミング業界で標準の価格帯、月額9.99ドルからはるかに安い月額3.99ドルの有料オプション「Rdio Select」を発表しました。
Rdio Selectは、有料会員にオンデマンドの音楽ストリーミングと、ラジオ機能を融合したサービスを広告なしで提供する、新しいオプション。ユーザーに提供される機能は次の3つ。
1)好きなアーティスト、楽曲、ジャンルなどを自動で分析して、最適な曲を再生するパーソナライズド・ラジオ機能。
2)毎日、最大25曲をモバイルデバイスにキャッシュしていつでも再生できる機能。
3)アーティストの楽曲や、NPR Musicやローリングストーンなど「テイストメーカー」達がキュレーションしたRdioのプレイリストを楽しむ機能。
オーディオクオリティは320kbpsの高音質。Rdio Selectはモバイルでもウェブブラウザ上でも同じ機能が楽しめます。
勿論、Rdioを全て制限なしで楽しみたい場合は、いつでも月額9.99ドルの有料オプションに切り替えることができます。
SpotifyやDeezerなど、フリーサービスと有料サービスを組み合わせたフリーミアムをベースにした定額制音楽ストリーミングは、月額9.99ドルか広告付きのフリーの二通りの価格帯を提供することが、業界では常識になっていました。Rdioの新価格は、これまで業界では実現していない「中間的」なオプションを提示して、価格競争を激しくします。
しかし、この新サービスによってRdioの成長を後押しするには、総合的な魅力が少なく、大きなアドバンテージになるとは思えません。Rdioはこれまでユーザー数など、数値を公開していないため、Spotifyなど競合に比べて苦戦しているという見方が一般的です。ただRdio利用への障害が減ったことには変わりないので、今後他社が同じような戦略を打ち出してくるか、動向が気になります。
Rdio Selectは当初は、米国のほか、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、南アフリカで、iPhoneとAndroid向けに提供されます。