アップルの開発者向けカンファレンス「WWDC 2015」が数時間後に迫っている中、日本でも新たに発表が噂される定額制音楽ストリーミングサービス「Apple Music」の話題が盛り上がっています。日経の報道によれば、月額9.99ドルのApple Musicは、日本でも毎月1,000円程度の料金で開始すると報道しているほど、iTunes以来大きな音楽ビジネスの発表が予想されます。
AP通信はアップルの戦略に詳しい人物の話として、アップルはこの新しい定額制音楽ストリーミングサービスで1億人の有料会員を獲得することを目指していると報じています。
現在世界の定額制音楽ストリーミングサービスでトップを行くSpotifyはアクティブユーザー数6000万人、有料会員数1500万人です(サービス開始は2008年)。SpotifyのライバルでフランスのDeezerは、アクティブユーザー数が1600万人、有料会員数が600万人。アップルが昨年買収して、Apple MusicのベースになったといわれるBeats Musicは2014年1月からのサービス開始から有料会員30万人強を獲得する結果となっていることから、アップルが定額制音楽サービスで狙う有料ユーザー数の規模が桁違いであることが分かります。
世界では近年ダウンロードの売上高が落ち込み、音楽ストリーミングの売上が急成長しています。アップルはこれまでも無料で音楽が聴けるパーソナル・ラジオ型ストリーミング「iTunes Radio」を始めていますが、本格的に定額制音楽ストリーミングに進出することはありませんでした。
アップルはApple Musicの開始には3カ月の無料トライアル期間を設けて、新サービスへのユーザーを誘導させる戦略を用意していると噂されています。アップルの定額制音楽ストリーミングへの進出は、過去に無い規模でのユーザーへのリーチと売上拡大が望めることから、市場全体を活性化させるとして音楽産業は大きく期待しています。WWDCの発表内容とアップルの戦略に注目です。
ソース
APPLE WANTS A LEAD ROLE IN STREAMING MUSIC(AP)
定額音楽配信、日本でも普及の兆し LINEやアップル参入(日本経済新聞)