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世界最大のエレクトロニック・ミュージックストア「Beatport」が、レーベルやアーティストに売上を支払えない状況に陥っていることが明らかになりました。

Beatportで音源を販売するレーベルやアーティストにはすでに同社から謝罪のメールが送られています。その中には、彼らの売上金が「動かせない状況」にあるため4月〜6月分のロイヤリティーを支払うことが出来ない状況にあり、「数週間以内に」支払いが行われると記載されています。いくつかのインディーズレーベルによれば、ロイヤリティーの支払期限は7月30日だったそうです。

Beatportの売上未払いの原因は、親会社であるEDMフェスのプロモーション企業大手「SFX Entertainment」が株式を非公開化するプロセスを進めている影響を受けたためで、非公開になるまでは売上金支払いを進めることはできないとのこと。

Beatportは2週間前に新しいCEOが就任したばかりで、SFXは組織改編を進めています。またその直前には自社株の投売りを行い1500万ドルを調達せざるを得ない状況で、2年前までは10億ドル以上の評価価値があった企業とは思えないほど経営に苦しんでいます。

SFX Entertainmentの創業者兼会長のロバート・シラーマン(Robert Sillerman)は、世界で爆発的に人気のEDMビジネスに乗じて、創業以来Beatportを始め多数のEDM関連サービスや、「Tomorrowland」(ID&T)、「Electric Zoo」(Made Event)などEDMフェス運営会社を買収(または投資)してきました。

Beatportからレーベルに送られたメール全文はこちら。

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Dear [client],

Since inception over 10 years ago Beatport has paid almost $200,000,000 to its label partners. Beatport’s parent company, SFX, is currently involved in a ‘going private’ process that has trapped certain earned label payments. This process will be coming to an end in the next few weeks, at which time all payments will be able to be made. Beatport prides itself on being the broadest and original friend of the makers of electronic music and will clear this one time obstacle very shortly.

Beatport

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またロバート・シラーマンは、7日にレーベルと権利保有者へ個別のメールを送り、事態に対して「個人的に、またビジネスマンとしてこの自体を恥ずかしく思う」と謝罪しています。さらに支払いは8月9日の週に完了するともメールで述べています。

ソース
Beatport To Pay Royalties, SFX CEO Says He’s ‘Deeply Embarrassed’(Billboard)


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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