ジェイ・Zが運営する高音質の定額制音楽ストリーミングサービス「Tidal」は、音楽サービス以外の道からビジネスモデルを模索しているかもしれません。
Tidalはプラットフォームで独占的にドラマコンテンツを配信することを発表、ウェブドラマとして人気を集めている「Money & Violence」シーズン2の権利を獲得し、さらにオリジナルコンテンツシリーズとしてコメディドラマ「No Small Talk」を11月から配信します。
No Small TalkはTidal会員であれば、追加料金無しで視聴が可能で、一話のみが会員以外の一般ユーザーに開放されます。
一方でMoney & ViolenceはクリエイターのMoise Verneauが自費制作しYouTubeにアップして人気を集めたドラマで、Tidalはシーズン2分の12話を通常公開よりも7日間先行して配信していきます。Tidalではすでにシーズン1の全エピソードと、特別コンテンツを限定で配信しています。シーズン2のプレミアは2016年1月予定です。
Tidalはプラットフォームで3600万曲以上の楽曲、86000個の音楽PVに加えて、すでに70以上の音楽関連の動画、ショートフィルム、ライブストリーミングされたコンテンツのアーカイブを独占的に配信しています。そして今回のオリジナルコンテンツ配信によって、動画コンテンツのラインナップを独占で獲得でき、他社との差別化要因としてさらなる会員獲得を目指せます。
Tidalのアーティスト&レーベルリレーション担当上級副社長ティム・ライリー(Tim Riley)は、同社の戦略はサービスの価値を会員に拡張し、既存のメディアでは満足できないクリエイターやタレント、オーディエンスにプラットフォームを提供するための、ごく自然な次の段階だと説明しています。
Opening up the vault.
Unreleased music – today on #ThePharmacy with @drdre.
3PM PT/6PM ET.
https://t.co/rAPwDbKt1V
https://t.co/z2CdbKJt0Q
— Beats 1 (@Beats1) November 7, 2015
独占的なコンテンツ戦略はアップルの定額制音楽ストリーミングサービスが手掛ける24時間ラジオ「Beats 1」にも見られます。Beats 1ではレギュラーDJによる番組に加えて、ドクター・ドレーやファレル・ウィリアムス、ドレイク、Q-Tipなど人気アーティスト達がホストを務めるオリジナル番組を毎週放送することで、Apple Musicの多様なコンテンツを強調しています。
ソース
Jay Z’s Tidal to Launch Original Drama, Comedy Series(Variety)