クラウドファンディング・プラットフォーム「Kickstarter」は、2015年10月11日にユーザーからの出資総額が20億ドル(約2400億円)を突破したと発表しました。
2009年創業のKickstarterは出資総額が10億ドルに達するまで4年10カ月かかりましたが、今回はわずか19カ月で10億ドルに到達するほど、スピーディーな成長を遂げており、この2年間でクラウドファンディングへの注目と活用が普及していることを意味しています。
Kickstarterは20億ドル突破のデータをさらに深く細かく分類し、金額や参加者別、カテゴリー別の数値を公開しています。
最も多かった出資額は「25ドル」で2,431,183回の出資が行われ、総額60,779,575ドルを集めてきました。2位は「50ドル」、3位は「10ドル」、4位は「20ドル」、5位は「15ドル」ですが、その次には「100ドル」がランクインして、これまで1,063,153回の寄付が行われてきたことは驚きです(総額106,315,300ドル)。
これまでに出資した人数は230カ国から950万人に上り、約1/3の人がKickstarterで複数のプロジェクトに出資をするリピーターでした。
カテゴリーで見ると、立ち上がったプロジェクトの数では「音楽」は「映画/動画」に次ぐ2位の42,193件。
音楽プロジェクトへの出資者は1,729,383人で、集まった金額は157,039,354ドル(約191億円)。
テクノロジーは全体で6位のプロジェクト件数の17,969件。出資者は1,565,131人で集まった金額は360,024,576ドル(約439億円)でした。
カテゴリーを出資総額で分類すると、1位は「ゲーム」、2位は「テクノロジー」、3位は「デザイン」、4位は「映画/動画」、5位に「音楽」がランクインします。
音楽カテゴリーで最も出資を集めたプロジェクトは、DIYアーティスト、アマンダ・パーマーのアルバム制作プロジェクト「Amanda Palmer: The new RECORD, ART BOOK, and TOUR」。
アルバム制作のコストをクラウドファンディングで集める代わりに、オリジナルのアートブックや、サプライズのアートパッケージ、ライブショーでのVIPパス、さらには自宅でのライブまでもリワードにするなど、コアなファンが喜ぶ仕掛けを柔軟に幅広く用意した結果の成功事例と言えます。このプロジェクトは、24,883人から1,192,793ドル(約1億4500万円)を集めた巨大なプロジェクトでした。
テクノロジーで最も出資を集めたプロジェクトは、ニール・ヤングが提案する高音質の音楽ダウンロードサービス「Pono Music」のポータブルプレーヤー「Pono Player」。
アーティストとファンのために、最高の音質で音楽を届けることを目的としたPono Musicは、CDやMP3では体験できないFLACハイレゾ音質の音源をダウンロードして再生するストアとプレーヤーをセットにした音楽サービス。考案者のニール・ヤングがテキサス州オースティンのSXSWで大々的に発表したことで、Kickstarterでの目標額80万ドルをわずか24時間で突破するほど、人気を集めたプロジェクトでした。
18,220人が支援し、6,225,354ドル(約7億5900万円)を集め、Kickstarter全体で最も出資されたプロジェクトで8位にランクインします。
ちなみにKickstarter史上最も成功したプロジェクト、Pebbleスマートウォッチは「デザイン」カテゴリーで78,471人が出資して20,338,986ドルを集めた驚異的な支持を集めました。
ソース
Kickstarter
Kickstarter surpasses $2 billion in pledges(The Verge)