定額制音楽配信の「Spotify」は、今週Androidアプリで動画コンテンツの配信を開始します。Spotifyによれば、iOSアプリでの配信は、来週開始する予定とウォール・ストリート・ジャーナルが伝えています。動画コンテンツは全ユーザー向けに配信されます。対象の市場はアメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデンの4ヶ国。
昨年5月に発表された、Spotifyの動画配信の計画によれば、コンテンツパートナーに世界のトップブランドを揃え、「BBC」のTop HearやBBC Earth、「Vice Media」のVice News、「Disney」のESPNやJimmy Kimmel Live、Maker Studios、X-Gamesなどのテレビ番組やデジタルコンテンツが配信予定です。
動画コンテンツは、フルサイズの動画ではなくショートクリップが中心で、中にはSpotify独占の音楽をテーマにしたオリジナルコンテンツが制作中とのことです。
Spotifyの製品担当副社長Shiva Rajaramanは、同社が4つの市場で過去数カ月に渡って動画コンテンツのテストを行ってきたことを明らかにしています。Rajaramanはまた、Spotifyで聴く音楽と関連性の高い動画や、音楽と結びつきの強いウェブ動画は人気だったことがテストで証明されたと言います。例えばMaker Studiosが制作する人気のコメディラップ動画「Epic Rap Battles」はテスターに好評だったそうです。
またSpotifyは動画を簡単に探せるように、「News of the Week」や「Laughs at Lunch」などカテゴリーをアプリ内に用意して表示させていきます。
Spotifyは世界最大の定額制音楽ストリーミングとして、アクティブユーサー7500万人と有料会員2000万人獲得して来ました。このユーザー規模の中で動画コンテンツをアプリ内で視聴させることは、Spotifyにとっても新たなチャレンジとなります。RajaramanはSpotifyがその課題を認識していることを明らかにした上で、Spotifyが求める主なユーザーは音楽ファンだと強調し、より多くの動画を見せるために「特別な手法はない」とウォール・ストリート・ジャーナルに答えています。
Spotifyが参入する動画市場では、YouTubeやFacebook、Snapchatなど多くの競合がすでに競い合っています。
動画配信にあたりSpotifyはコンテンツ・パートナーにライセンス料を支払います。ですが、Spotifyの戦略は動画を使って新規ユーザー獲得と、既存ユーザーのアプリ滞在時間の向上を目指すことが狙いとなるため、Spotifyは動画に広告は付けません。
現在Spotifyの事業モデルは、広告付きの無料での聴き放題と、広告無しの定額制での聴き放題のオプションから収益を上げるモデルです。
Spotifyの動画コンテンツ配信については、こちらをどうぞ
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ソース
Spotify Ready to Introduce Video Product(WSJ)
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