音楽ストリーミングサービスが支払うデジタルロイヤリティを管理する米国の権利団体「SoundExchange」は、アーティストやソングライターに支払ったロイヤリティ総額が、2015年は過去最高となる8億260万ドルに上ったことを発表しました。
SoundExchangeがこれまでアーティストやレーベルに支払ってきたロイヤリティの総額は、これで30億ドルを超え、アメリカの音楽産業にとってSoundExchangeが支払うロイヤリティ料の拡大はデジタル音楽サービスの普及を意味する嬉しい知らせです。
一方で、2014年の総額7億7340万ドルからの成長は4%と、SoundExchangeが活動する過去8年で最低の成長率となりました。
デジタルパフォーマンス権のロイヤリティを徴収する非営利団体のSoundExchangeには、Pandoraなどラジオ型音楽ストリーミングサービスや、iHeartRadioなどのデジタルラジオサービス、Sirius XMなど衛星ラジオなど2500以上の企業やサービスがロイヤリティ料金を支払います。
SoundExchangeの成長が鈍化した理由の一つには、米国最大のネットラジオ「Pandora」の停滞が大きな原因となっています。
ラジオ型の音楽ストリーミングとして圧倒的なユーザー数を誇ってきたPandoraですが、近年はアクティブリスナーを増加させることに苦戦しています。2015年Q1が7920万人、Q2が7940万人、Q3は7810万人と、音楽ストリーミングに注目が集まる音楽業界に対して、サービスの成長が止まっています。
Pandoraは昨年末に倒産した定額制音楽配信「Rdio」の資産を買収しました。これによってPandoraはSpotifyやApple Musicと同じ「定額制」のオンデマンド型音楽ストリーミングサービスを開始する計画を準備し始め、新たなビジネスモデルがいつ開始するのかに注目が高まっています。
ソース
SoundExchange