LINEが運営する定額制音楽ストリーミングサービス「LINE Music」が開始から一周年を迎えようとしている。
Line Musicはサービス開始1周年を記念して、Billboard Japanと組んで、特別ライブとトークセッションを6月1日(水)に開催する。入場は無料のイベントとなっている。
イベント概要
【LIVE FREELY LINE MUSIC 1st Anniv. SPECIAL】
日時:6月1日(水) 18:30~
会場:ビルボードライブ東京(港区・六本木)
入場料:無料
出演:Crystal Kay、Little Glee Monster
詳細:公式サイトをご覧ください
イベントへの参加方法は、LINEのBillBoard Japan公式アカウントから詳細がお知らが届く。
またこのイベントは、LINE LIVEでライブ配信されることも決定している。
2015年6月11日に開始した「LINE Music」は、エイベックス・デジタル、ソニー・ミュージックそしてユニバーサルミュージックとLINEの4社が合同で設立してスタートした定額制音楽サービスで、「音楽☓コミュニケーション」をコンセプトに、開始から邦楽メジャーアーティストの楽曲が聴けることや、K-POPやアニソンなど日本の市場に特化した楽曲ラインナップを揃えるなど、日本人ユーザーにカスタマイズしたサービスとして始まった。
LINE MUSICではアーティストやレコード会社の公式LINEアカウントと連動したプロモーションをはじめ、LINEプロフィールにLINE MUSICを設定できる機能や、レコーディング・スタジオからのパフォーマンス映像を配信する「LINE MUSIC LAB.」など、独自の企画を作っている。
世界的にデジタル音楽の市場はダウンロードが低迷し、代わりに定額制音楽配信が主流となり始めている。2015年は日本でもLINE MUSICやAWA、Apple Music、Google Play Musicといった定額制の聴き放題サービスが始まったことで、ユーザーの音楽視聴がこれまでのPCベースのダウンロードから定額制サービスへとシフトし始めていることは日本レコード協会の2015年度のレポートでもデータが指摘している。日本の音楽利用シーンも定額制の登場で緩やかに変化している。その変化を牽引しているのはLINE MUSICやAWA、Apple Musicなどのサービスと言える。
今後の課題として日本でも議論されるであろうテーマは利益の「透明性」ではないだろうか? 世界ではYouTubeなど広告型の無料音楽サービスが膨大なユーザー数を確保する一方で、音楽業界へのロイヤリティ分配額が、ユーザー総数が少ない定額制音楽配信サービスよりも大幅に少ないことが問題視されている。
日本では、この「Value Gap=価値の乖離」の影響が大きな議論の的とはなっていない。しかし将来はYouTubeがどの程度クリエイターに対価を支払っているのかが議論される時がくるはずだ。その時の問題は、定額制音楽サービスが同じようにロイヤリティ分配でクリエイターを支援できているか、そしてその支払いは継続して拡大する見込みがあるか、ではないだろうか。LINE MUSICなど日本の定額制音楽サービスは日本人クリエイターへの分配についてこれまで多く語ってきていない。
今後日本の音楽シーンで急速にCD売上が低下することは、想像しがたい。しかしいずれは定額制音楽サービスの価値に注目が集まり、アーティストやレーベルの主要な収益源になる日が来るかもしれない。そうなった場合、果たして日本の音楽業界はクリエイターが持続可能な環境を作れるのだろうか?その意味で、収益の流れを見える化することは重要に思える。「透明性」は二年目に入る日本の定額制音楽サービスがどのように取り組むのか、注目していきたいと思う。
ソース
LINE MUSICの1周年を祝うスペシャルイベントを開催! (LINE MUSIC)