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日本のスタートアップが世界に認められた瞬間。

博多の株式会社しくみデザインが開発する、動きやジェスチャーから音を生み出すインタラクティブ式楽器「KAGURA」。2013年に半導体メーカーIntelが実施したアプリコンテストでグランプリを受賞して以来、しくみデザインの中村俊介さんが中心となって日本人アーティストとのリアルタイムライブコラボが実現できるほど実用化が進められてきました。

新感覚の楽器というテクノロジーを介して、日本人だけでなく世界の誰でも音楽を創り演奏できるツールを目指す、KAGURAと中村さんのグローバルスタンダードなビジョン。音楽配信やDAWといった音楽テクノロジーに注目が集まる昨今、「楽器」という音楽の根幹を再定義しようとするKAGURAが、世界に一歩近づいた瞬間がスペインのバルセロナで開催された世界有数の音楽スタートアップ・コンペで生まれました。

バルセロナで開催中のエレクトロニック・ミュージック「Sonar Festival」が主催する、最先端な音楽スタートアップ・コンペ「Sónar+D Startup Competition 2016」でKAGURAが見事にグランプリを受賞しました。

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Sonar+Dは世界中の音楽とテクノロジー、アートをキュレーションした音楽テクノロジーのカンファレンスで、起業家や投資家、音楽業界関係者、アーティスト、テクノロジストが世界から一堂に会する三日間のイベントです。

KAGURAが参加したSónar+D Startup Competitionでは、世界から応募した120以上のスタートアップやプロジェクトからファイナリストに残った10社のみがヨーロッパの起業家や投資家、企業の幹部によって構成された20人の審査員の前で、プロダクトのデモだけでなく、ビジメスモデルや成長戦略さらにはアーティストやユーザーを魅了する独自のクリエイティビティについてピッチし、優勝を競います。

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筆者は二年連続でSonar+Dに取材で参加しており、コンペグランプリ受賞の瞬間に立ち会うことができました。

KAGURAの参加は日本では初めて。

授賞式直後からKAGURAを祝うために投資家や起業家仲間たちが中村さんの元に次々と訪れていました。

さらに次の展開として、KAGURAは今夏からKickstarterで資金をクラウドファンディングすることが決定しました。

 

音楽テクノロジーの世界でグローバルスタンダードと言えるSonarで出会った投資家や起業家、ビジネスパーソンたちとの出会いと、スタートアップコンペでのグランプリ獲得は、確実にKAGURAを世界のステージに近づける推進剤となっていくでしょう。

日本ではあまり紹介されていないSonar+D。このイベントはクリエイターを刺激する最先端のテクノロジーとスタートアップが集まる場所としてヨーロッパで密かに注目を集めています。

Sonar+Dにはコンペのファイナリスト10社だけでなく、コンペに残った計30社が自分たちのプロダクトやサービスをでもすることができる、スタートアップ用のエリアが設けられています。今年はアメリカやイギリス、スペイン、フランス、フィンランドと欧米が占める内容でした。

サービスやアプリだけでなく、ハードウェアを作るスタートアップも多く、テクノロジーも人工知能、AR、VR、ウェアラブル、ブロックチェーン、データ解析など様々ありました。コンシューマー向けだけでなく、クリエイターや企業やブランド、イベントプロモーター向けにマーケティング用ツールやファン専用プラットフォームを開発するスタートアップも参加していました。

またスタートアップの参加者は、投資家や起業家などからアドバイスを受けられるメンターシップ・セッションが三日間用意されており、こちらは毎日列ができるほど予約で埋まっていました。

さらにSonar+Dの会場内では常にネットワーキングができるスペースが常設されたり、参加者同士が繋がれるコミュニティサイトが用意されるなど、参加しながら次のアクションへと繋げられる機会が提供されます。

ただ会場でブースを提供するだけでなく、フェス自体が今後のスタートアップの活動を支援するキックスターター的な役割を担っているのが特徴的です。

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クリエイティブを支援したい、進化させたいという想いは作品を作ること以外の方法からも生み出せるとこを証明しているSonar。「Creativity、Technology & Businesses」を共通のテーマに掲げるSonarは、スタートアップと起業家、投資家の視点から音楽の可能性を広げるのに貢献してくれる、欧州クリエイティブ・スタートアップのコミュニティと言えます。

ソース
Sónar+D Startup Competition 2016

KAGURA


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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