数々の名作で知られるヒップホップグループ、デ・ラ・ソウルが2015年にクラウドファンディングサイト「Kickstarter」を使い、アルバム制作の資金を調達したのは、ご存知でしょうか?3月31日に始めたKickstarterキャンペーンはわずか24時間で目標額の110,000ドル(約1320万円)をクリアし、終了時には11000人以上の支援者から合計600,874ドル(約7200万円)を集めた彼らはプロジェクトは、結果的にKickstarterの「音楽」カテゴリーで史上2位となる資金を集める快挙を収め注目を集めました。
完成した最新アルバム「and the Anonymous Nobody…」は、1年の制作期間を経て、デ・ラ・ソウルが運営するレーベル「AOI Records」と独立系レーベルサービス「Kobalt」から8月26日にリリースされました。そのアルバムが今度は、アメリカのBillboardヒップホップアルバムチャートで1位を獲得しています。
Nielsen Music調べによれば、リリースの新作は、9月4-10日週で売上が21,000ユニットを記録し、ヒップホップアルバムでは1位、R&B/ヒップホップチャートでは3位にランクインする快挙を達成しました。
「and the Anonymous Nobody…」はアナログチャートでも売上2000枚以上を記録し1位を獲得しました。これは、Kickstarterのキャンペーンで支援者に提供された2500セットのサイン入り限定カラーエディションもカウントされている模様です。
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日本の音楽シーンでも、「Campfire」などクラウドファンディングサービスを使い、ファンや支援者と協力しながらアルバムや音楽活動を行うアーティストたちが増えています。クラウドファンディングに代表される「パトロン制」の音楽プロジェクトを運用する場合、支援者に対してプロジェクトの詳細な状況を常にオープンにしながら、コミュニケーションを図っていくという点が、これまでクローズドな世界で行われてきた音楽制作とは全く異なる視点が必要となります。ファンクラブやSNSなどファンとの距離が縮められるツールがより双方向のインタラクションに進化したクラウドファンディングの領域から、今後もどれだけ注目作品が生まれるかは、このシーンがどれだけ活性化できるか、一つのバロメーターになりそうです。
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