ラスベガスの高級リゾートホテル「ウィン・ラスベガス」が、アマゾンが発売する音声認識機能付きの据置型スマートスピーカー「Amazon Echo」を全客室4,748室に導入することを発表しました。全てのゲストはAmazon Echoを使って、室内の照明や温度の調整から、テレビそしてカーテンの制御が音声で可能になります。
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Amazon Echoには、「Alexa」(アレクサ)と呼ばれる音声アシスタントが搭載されており、一般的なEchoユーザーは音楽再生からスケジュール監理、天気などニュースの提供まで、操作をユーザーの音声でコントロールする機能を利用できることが、この製品の特徴です。アップルの「Siri」やグーグルの「Google Assistant」、マイクロソフトの「Cortana」などと音声認識アシスタントの分野で競争するAlexaは、Echo以外でもAmazon Fire TVやAmazon Fireタブレットなどアマゾン開発製品に対応しています。
ホテルでのAmazon Echo採用は業界初の試みで、2017年夏までに導入が実現します。アマゾンとウィンのプロジェクトは将来的にゲスト向けのパーソナルアシスタント開発までを検討しているそうです。
ウィン・ラスベガス創業者のスティーブ・ウィン(Steve Wynn)は、「リゾートホテル開発を手掛けた過去49年間で、ゲストに完璧な体験を提供する私の仕事を楽にしてくれて、私たちの水準を次のレベルに引き上げてくれるものに出会ったのなら、それはAlexaです」とプレスリリースでコメントしています。
発表された内容からは、導入するAmazon EchoでのPrime MusicやPrime Videoの再生、またはアマゾンでの買い物まではどうやら現在は実現出来ないようですが、将来的な実現は可能性としてありそうです。
アメリカ中心に発売されているAmazon Echoは価格が179ドル。アマゾンは、小型の「Amazon Echo Dot」や、バッテリー駆動で携帯型の「Amazon Tap」も2016年に発売開始しました。
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今年10月にアマゾンは、現在プライムメンバー向けに提供している音楽ストリーミングサービス「Prime Music」とは別の、定額制音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」を始めました。サービスの特徴として発表されたのは、Echoでの再生のみを選択すれば、月額料金が通常の9.99ドルの代わりに3.99ドルと大きく値下げされる価格帯でした。
ホテルなどホスピタリティ業界による、ユーザー個人に向けてパーソナルな体験を提供する流れにおいて、音声認識アシスタントが実現できるパーソナリゼーションは、1つの未来の形かもしれません。例えば、ホテルの部屋で、その夜に行きたいイベントを探し、そのチケットの購入や、移動のUberの予約をEchoが実現してくれるといった活躍もできると考えられます。
アマゾンとウィンの連携が狙うのは、サードパーティ開発者やサービスによる、ホテル客向けやイベントと連携した音声コマンドの開発の強化ではないでしょうか。将来的には、Alexaのプラットフォーム上で、ホテル滞在客向けに、オンラインだけでなく、オフラインでも楽しめるコンテンツと連動した特別なサービスやコマンドが実現していくことにも期待が高まります。
ソース
Wynn Las Vegas Announces the Addition of Amazon Echo to All Hotel Rooms(PRnewswire)
The Wynn Las Vegas is putting an Amazon Echo in every hotel room (The Verge)