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アマゾンは、ワーナーミュージックで、セールス&マーケティンググループの上級副社長を勤めていたローレンス・ペライヤ(Lawrence Peryer)を、米国チケット事業のディレクターに引き抜き、イベントチケット販売ビジネスの強化に本腰を入れ始めています。

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チケット販売市場への参入を目指すアマゾンは、2015年にイギリスでコンサートやミュージカル、オペラなど、チケット販売事業「Amazon Tickets」を静かに始めました。アマゾンのチケット販売の強みとして挙げられるのは、ユーザーが常に利用しているアマゾンのアカウントでチケット購入ができる「手軽さ」で、他サービスへのログインなどを必要としない手間の無さを売りの1つにしています。

アマゾンは2016年に入ってチケット事業チームを強化を目論んできました。現在も米国アマゾンの求人サイトでは、エンジニアや新規ビジネス開拓担当など、チケット販売に関する人材募集が行なわれています。

ペライヤは、これまでワーナーミュージックグループで、アーティストとファンを繋げるD2Fサービス「Artist Arena」のCEOを務めた後、グローバルのセールス&マーケティング部隊を統括する副社長として、レーベルのECやチケット、VIP関連ビジネス、ファンクラブ、ツアーやブランドパートナーシップ関連のライセンスグッズ事業を統括していた経歴を持っています。

アマゾンでチケット事業を統括するのは、無料のフードデリバリーサービス「Amazon Restraunts」事業を手がける副社長イアン・フリード(Ian Freed)で、彼は以前はスマートスピーカー「Amazon Echo」や、スマートフォン「Fire phone」を担当してきた経験があります。

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アメリカでのチケット販売にアマゾンが参入することになれば、世界最大のプロモーション会社「ライブ・ネイション」が抱えるチケット販売最大手「チケットマスター」と競争することになります。また「Ticketfly」(ラジオ型音楽ストリーミングサービスPandora子会社)、「Eventbrite」など、チケット販売サービスを提供するスタートアップが数多く参入している、競争の激しい市場です。その一方で、チケット販売やチケット転売のサービスは、ライブビジネスの右肩上がりの成長に伴って、ライブ市場と連携したチケット販売手法や、技術力によって支援された、新しい「チケット購入体験」の提供に注目が集まっており、まだまだ成長が期待できる市場と言えます。

ソース
Amazon Taps Warner Music Veteran to Lead Ticketing Unit (Billboard)
Amazon has big plans to expand its online tickets business (Recode)
image: Mike Seyfang via Flickr


Jay Kogami

執筆者:ジェイ・コウガミ(All Digital Music編集長、デジタル音楽ジャーナリスト)

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